A12バセドウ病・薬物療法・放射性ヨウ素（RAI）治療・外科治療橋本病（慢性甲状腺炎）・基本的に内科的治療亜急性甲状腺炎・内科的治療急性化膿性甲状腺炎・保存的治療に抵抗性の場合，手術適応甲状腺良性結節・手術適応は図 3 参照甲状腺悪性腫瘍・基本的に外科治療の適応だが経過観察でよいものもあり．高リスク例，進行例では TSH 抑制療法，放射性ヨウ素（RAI）治療，新規薬物療法（多標的分子標的薬，選択的キナー ゼ阻害薬）鑑別困難な甲状腺腫瘍・経過観察または診断的手術）．A差6の項参照）．甲状腺疾患には経過観察でよい状況も含め，保存的治療，内科的治療が第一選択となるものが多い．手術適応となる甲状腺疾患には腫瘍性疾患のほか，バセドウ病をはじめとする機能性疾患や一部の炎症性疾患（急性化膿性甲状腺炎など）がある（ 1. バセドウ病バセドウ病はわが国では抗甲状腺薬による薬物療法が第一選択となることが多いが，近年，外科治療の役割が見直されている．特に抗甲状腺薬の副作用がある場合，早期の甲状腺機能改善を望む場合，巨大な甲状腺腫を呈する場合，甲状腺がん合併例，甲状腺眼症が高度の場合などは，手術のよい適応である．従来は甲状腺機能を正常に残す亜全摘術や超亜全摘術が行われたが，再燃が多いことから手術適応と判断したバセドウ病には甲状腺全摘術を行うことが一般化している．甲状腺クリーゼを避けるために，手術前の甲状腺機能コントロールが重要である．また，バセドウ病では甲状腺への血流量が増大しているうえ，甲状腺実質が脆く，思わぬ大量出血をきたすことがある．入念に準備を整えたうえでの，精確で愛護的な操作が求められる（図 1 甲状腺疾患と外科治療手術適応となりうる甲状腺疾患甲状腺図 1総 論
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