2723新 小児救急実践ガイドブック
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各論J外因系疾患J 外因系疾患 ● 9 中毒・エタノール・強酸,強アルカリ・リチウム・カリウム・ホウ酸・エチレングリコール・鉄剤・ヒ素・ヨウ素・フッ化物た準診療ガイドの改訂では,消化管除染の適用条件としての時間を設定しないこととなっ現在はルーチンでは推奨されていない.2)胃洗浄胃洗浄の適用として時間は設定せず,胃内の薬毒物の残存の確認と,残存薬毒物による生体へのその後の影響を考慮する.薬毒物の残存は腹部 CT 検査や上部消化管内視鏡で評価されることがある.ただ小児ではこれらの検査の閾値が比較的高いため,腹部エコーによる胃内容物の確認が選択肢になるかもしれない.16~24 Fr の太い胃管を挿入,左側臥位,頭低位の体位にして,加温した生理食塩水を1 回あたり 10~20 mL/kg を廃液がきれいになるまで,注入と排液を繰り返す(約 1~2 L).意識状態が低下し,誤嚥のリスクが高い場合には気管挿管下に胃洗浄を行う.誤嚥によって化学性肺炎を起こす可能性がある薬物(石油製品や有機溶剤)や強酸やアルカリなど腐食性薬物に対する胃洗浄は禁忌である.3)活性炭薬毒物を経口的に中毒量摂取した場合,吸収阻害を目的に活性炭に吸着する物質に対して単回投与が可能である.活性炭の繰り返し投与は中毒量を服用し,生体に重篤な影響を及ぼすと思われる限られた薬毒物に対して考慮される.活性炭の禁忌は腸閉塞,消化管穿孔である.また活性炭に吸着しない物質を表 2に示した.他の消化管除染と同様に,活性炭投与の適応に薬毒物服用からの時間を設定しない.活性炭 25~50 g(12 歳以下では 1 g/kg)を生理食塩水 10~20 mL/kg に溶解して,胃管から注入する.4)緩下剤緩下剤の効果は,①活性炭・中毒原因物質413表 2活性炭に吸着しない薬物複合体の消化管通過時間を短縮させる.②活性炭による便秘を予防する.③消化管通過時間の短縮により,活性炭からの中毒原因物質の解離を少なくして,解離した中毒原因物質が再吸収される時間を短くする等があげられる.中毒原因物質の除染目的に単独での使用は効果がない.活性炭との併用においては必ずしも有効とはされていない.使用する場合,単回使用に限られるべきである.ソルビトール 35% 溶液を 1.5~3 mL/kg,または 13.6% クエン酸マグネシウム液を 2~4 mL/kg を服用させるか,胃管から投与する.5)強制利尿中毒患者に対して,薬毒物の尿中への排泄を目的とした大量輸液による wash out を行わない.適切な体液管理と循環管理がなされていれば,中毒に対して強制利尿は適応とならない.中毒患者の多くは,脱水状態であることが多く,循環血液量を適切に是正するための輸液は必要である.6)血液浄化急性薬物中毒に対する血液浄化には明確にエビデンスはない.原因薬毒物の①分子量が小さい,②蛋白結合率が低い,③分布容積が小さい,などの体内動態,また④症状が重篤である,または今後悪化する可能性が高い,⑤有効な解毒・拮抗薬など特異的な治療がない,などで血液浄化の適応が判断される必要がある.5).1)催吐

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