2724自信がもてるカルテの書き方
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12Part.1 医師にとってのカルテ記載を理解しよう われわれ医療者が日常的に使っている「カルテ」という言葉がどこからきて,何を示すのか,考えたことはありますか? カルテの意味を正確に知らなくても,日々の臨床で困ることはありませんが,カルテの役割や重要性を認識することは大切です.それを意識するとしないとでは,カルテ記載の仕方が変わってくるからです.ここでは,その前段階として,カルテという言葉が一般的に指し示すものや,似たような言葉について取り上げ,その定義や由来,歴史についてふれたいと思います. 「カルテ」を明確に定義したものはありませんが,狭義には「診療録」のことを指します.診療録とは,医師法第 24 条で定められているように,医師が診療したときに遅滞なく記載すべきものであり,記載すべき事項としては,医師法施行規則第 23 条において,「①診療を受けた者の住所,氏名,性別及び年齢,②病名及び主要症状,③治療方法(処方及び処置),④診療の年月日」があげられています(表 1).要するに,医師が患者を診療したときに記載する診察内容や治療,経過などの記録が診療録(狭義のカルテ)です. 「カルテ」に似た言葉ですが,「診療情報」「診療記録」についても,2003 年に厚生労働省が策定した「診療情報の提供等に関する指針」の中で定義されています(表 2)1).診療録よりも診療記録のほうが幅広い概念であり,検査結果や看護記録,入院診療計画書などを含みます.この診療記録が,広義のカルテに該当すると考えられます.さらに,インシデントレポートなど医療機関で作成する書類すべてを指して「医療文書」という言葉も使用されます.したがって,これらの言葉は図 1 のような関係になります. 医療に関する記録のルーツは,古代エジプトにまでさかのぼります.紀元前 16 〜17 世紀ごろに記録されたと考えられ,当時,紙の代わりに使用されていたパピルスには,検査や診断,治療方法に関する情報が記載されています.驚くべきことに,そのカルテとはカルテの歴史カルテとは何か? 診療録,診療記録,医療文書とは?

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