106Bとした.⑥有害事象の増加,合併症の増加(重要性6,エビデンスの強さ:B)・検索系統的文献検索を行い,ランダム化比較試験8件,システマティックレビュー2件を採用した.・評価Songら1)の研究では,運動療法群に有害事象の報告を認めなかった.Groteら2)は,運動療法の完了率は100%で,有害事象は認めなかったと報告した.Satishら3)の研究では,運動療法群のうち3名が運動の遵守率が低く脱落したが,運動療法の直接的影響ではなかった.Lønbroら4)の研究では両群に運動療法中の有害事象の報告は認めなかった.Lønbroら5)の研究では,運動療法による明確な有害事象は認めなかったが,意欲喪失3名・頸部炎症増悪1名が運動療法から脱落した.Samuelら10)の報告では,状態悪化などによる脱落者を運動療法群16名・対照群12名に認めたが,運動療法自体は安全に実行可能であった.Avanciniら8)のシステマティックレビューでは,運動療法による有害事象発生の有意な差は認めなかった.Capozziら13)のシステマティックレビューでは,運動療法施行中に運動療法自体による倦怠感の増悪,外傷,放射線療法からの脱落などの有害事象を運動療法群のほうに有意差をもって多く出現するという記載は認めなかった.・統合頭頸部がん放射線療法中・後の運動療法は,少なくとも有害事象や合併症を増加させないことは示唆された.ただし,これらの結果は直接的評価でなく,また運動療法が放射線療法完遂へ好影響をもたらしたという報告もなかったため,エビデンスの強さはBとした.CQに対するエビデンスの総括重大なアウトカムに関する全体的なエビデンスの強さ:B(中)放射線療法中の運動療法にて得られる効果が頭頸部がん治療への直接的な強い「益(腫瘍縮小などのような望ましい効果)」を示すことは証明できてはいないが,二次的な身体への効果や結果的に治療完遂につながる可能性を高める益を認める.「害(望ましくない効果)」としての倦怠感の増加や運動器疼痛などの有害事象も認めなかった.以上より,益が害を上回っていると判断した.入院中のリハビリテーション治療(運動療法)は医療保険に基づいており,患者の負担は少なく,多くの患者が行うことを希望すると考えられる.また放射線療法による倦怠感の増悪,食事量低下から生じる運動耐容能低下は日常生活活動や治療後の社会復帰に支障をきたすため,多くの患者が運動療法を行うことで早期に安全に体力を再獲得することを目標とすることが想定される.放射線療法中の体調と食事摂取量に配慮する必要はあるが,過負荷や疲労の蓄積に注意して柔軟に対応すれば,患者の価値観や尊厳は保たれ,確実性は高く,多様性は低い.・コスト評価「がん患者リハビリテーション料」は入院中の実施であれば算定可能であり,入院中の放射線療法前・中・後に一般的な療法時間(40〜60分)で運動療法を実施することに関しては患者のコスト負担は少ない.なお,入院前・退院後の外来診療では現状(2026年度診療報酬改定時点)では「がん患者リハビリ益と害のバランス評価患者の価値観・希望コスト評価,臨床適応性第5章 頭頸部がん
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