こんなとき,どうする? 診断に役立つクリニカルパール● 1,500/μL 以下を好中球減少症と定義することが多いが,臨床的に重症感染症を増加させるの● 白血球数に増減がなくても,好中球減少症を契機に血液疾患が診断されることがあるため,血● 白血球以外の血球数の異常を確認することは鑑別の過程で重要である.白血球数もしくは分画● 肝脾腫およびリンパ節腫大の有無を確認する(Ⅱ—2「リンパ節が腫大している」〔p.18〕参11好中球割合(%)40 ~ 6530 ~ 5030 ~ 5040 ~ 6045 ~ 60Memo 11 白血球数・分画に異常がある白血球数や好中球割合には個人差や個人のなかでの変動も大きい.白血球数増多/減少ほかの血球異常や分画異常の有無を確認リンパ節腫大・肝脾腫の有無を確認感染症などの鑑別検査によるフォローアップ年齢(月齢)<1 か月1 ~ 6 か月6 か月 ~ 3 歳3 ~ 6 歳6 歳<白血球数>150,000/μL全身状態不良白血球数>50,000/μLまたは<1,500/μLほかの血球数の異常あり改善なし改善白血球数(/μL)7,000 ~ 30,0006,000 ~ 20,0005,000 ~ 18,0005,000 ~ 15,0004,000 ~ 13,000速やかに専門施設に紹介骨髄検査の適応を判断専門施設に紹介骨髄検査の適応を判断専門施設に紹介だが,3 ~ 4 歳頃まではリンパ球が優位となり,好中球数は 1,500/μL を下まわることもある.3 ~ 4 歳以後は再び好中球が優位となる(表 1).は,好中球数 500/μL 以下である.液疾患が疑われる場合には,血球分画割合を検査する.の異常がある場合には,赤血球数(ヘモグロビン値),血小板数に異常がないかをあわせて確認する.照).特に著しい白血球数の増加(50,000/μL 以上)がみられた場合,胸部単純 X 線写真で縦隔腫大の有無をみる(→ Memo 1,Ⅲ—2「縦隔腫瘍」〔p.80〕参照). 急性リンパ性白血病の病型は,B 前駆細胞性,成熟 B 細胞性,T 細胞性に大別される.T 細胞性急性リンパ性白血病では縦隔腫大を伴うことがあり,また,高い白血球数を呈することが多い.ほかの病型と比べ,相対的に男児,年長児に多いのも T 細胞性急性リンパ性白血病の特徴である.図 1白血病診断のフローチャート白血球数の基準範囲表 1Ⅱ
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