役立つ知識● 血算の異常をみたら検査結果が正しいかを疑う.採血に手間取る,検体の攪拌不十分,検体の● 異常値と判定するための基準範囲は表 1,Ⅱ—1「白血球数・分画に異常がある」の表 1〔p.11〕,● Hb,白血球数,血小板数の増減はないか? どれが最も異常か? どれか 1 つか,2 つか,● 異常値をみたときには,産生の低下か,破壊の亢進かを念頭に置いて鑑別することをすすめる● 網赤血球数は赤血球数に対する %,または‰で表記されることが多い.血液 1μL あたりの絶● 網赤血球数の基準範囲(表 3):生後 1 日:0.4 ~ 6.0%,小児・成人:0.5 ~ 1.5%,絶対値1)血算で赤血球異常をみるコツMemo 1169血球異常骨髄占拠白血病産生減少幹細胞減少 再生不良性貧血,抗腫瘍薬,放射線材料減少鉄欠乏性貧血,悪性貧血赤血球溶血性貧血破壊増加好中球自己免疫性好中球減少症血小板免疫性血小板減少症(ITP)鑑別疾患1 血算の見方①血算の変化:以前との比較② 血算に加えて:病歴,家族歴,身体所見,ほかの検査所見と比較③赤血球,白血球,血小板:どれが最も異常?④Hb 減少:MCV と網赤血球数に注目して鑑別⑤白血球数増加または減少:分画のどれが異常?不適切な保管などによる血液凝固や溶血がしばしばみられる.本項の 4「血小板の異常をどうみるか」〔p.171〕を参照(なお,正常範囲という言葉は,死語!).または 3 つか? さらに,以前の結果があれば変化をみる.血算に加えて,病歴,身体所見,ほかの検査所見と比較して総合的に判定する(表 2).(表 2).産生が低下した際には血球の寿命を知っていると,病態把握を誤らない(→ Memo 1 参照).①Hb:貧血.②白血球数・血小板数:減少ならば要注意.③網赤血球数:つくっているか? ④MCV:赤血球の大きさ.⑤塗抹標本:破砕赤血球,球状赤血球,涙滴赤血球.⑥血清鉄,血清フェリチン:鉄の欠乏? 利用障害? 過剰? ⑦クレアチニン:腎機能.⑧LDH,ビリルビン:溶血.対数で判断することをすすめる.25,000 ~ 75,000/μL,>100,000/μL は増加と判断する.血球の寿命 ①赤血球:120 日.②リンパ球:数日 ~ 数か月 ~ 数年.③血小板:10 日.④好中球:数時間 ~ 1日(血中),数日(組織). 血球が産生されなくなると,最初に好中球が減って,次に血小板が減少する.ただし,好中球が減ってもリンパ球はすぐには減らないので,白血球が減少するには時間がかかる.そのため,最初に血小板が減少したときには白血球と赤血球が正常ということがしばしば起こる.表 2血球異常の代表的な鑑別診断表 1血算をみるコツ1.血算を解釈するための基本2.赤血球の異常をどうみるかⅤ
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