シミュレーション教育とは シミュレーション(simulation)とは,実際の状況を模した環境で行う訓練や教育手法であり,現実世界の構造やプロセスを再現して学習や評価を可能にするものである.模擬訓練(mock training),実践演習(practical training),仮想体験(virtual experience),実技体験(hands-on experience)などはシミュレーショントレーニングと類縁の理念といえる.産科麻酔シミュレーショントレーニングのテーマは危機管理が選択されることが多い.危機的状況の対応には様々なスキルが求められる.各シナリオテーマで強調されるスキルを表1に示す.場所と準備 シミュレーションを開催する場所はどこでもよい.当院では医学教育統括センターの全面的協力を得てコースを開催している.シミュレーターだけでなく,麻酔器,ミニレクチャー用のモニター画面やテーブルや椅子なども準備してもらっている(図1).産科麻酔のシミュレーショントレーニングのテーマと学習目標の例超緊急帝王切開母児の安全を守るための正確な手順と連携が実施できる産科危機的出血複数の情報を整理できる.チームダイナミクスを作動できる硬膜外鎮痛中の全脊椎麻酔予測不能な展開に系統的に対応できる局所麻酔薬中毒重大な状態に陥る前に気づくことができる母体の重症感染症クライテリアや診断基準を用いることができるけいれん優先順位の判断ができるアナフィラキシーショック限られた時間での冷静な判断と手順を施行できる気道困難症準備ができる.冷静な判断ができる妊婦の心肺蘇生極限状態での迅速な修正ができる.心肺蘇生アルゴリズムを実施できるいずれの学習目標もテーマを超えてオーバーラップしている.筆者が各テーマで比較的重要と認識している学習目標を対応させた.表155多職種連携3)産科麻酔教育におけるシミュレーション教育医療制度とチーム医療第12章55Key point 医学生向け「シム・パック」では,産科麻酔という未知の領域に関心を抱くフックを提供する. J-MELSアドバンスコースではmedical resource managementを用いたノンテクニカルスキル訓練を導入する. 多職種合同の超緊急帝王切開シミュレーションでは,病棟と手術室間の連携を強化でき得る.Key point438438
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