産科合併症,合併症妊娠のスクリーニング方法 日本において産科合併症,合併症妊娠のスクリーニングを行う方法は「妊婦健康診査(妊婦健診)」である.妊婦健診は,妊婦と胎児の健康状態を定期的に確認し,異常の早期発見と対応を目的としている.母体としては,まず妊娠初期における異所性妊娠,流産,胞状奇胎などの異常妊娠のスクリーニングが重要である.正常妊娠であった場合には,胎児数の確認(膜性診断含む),分娩予定日決定,子宮および子宮付属器の異常を超音波検査で確認していく.同時に問診および各種検査により合併症妊娠のスクリーニングを行う.次に週数に応じて,切迫流早産,HDP,妊娠糖尿病などの産科合併症のスクリーニングを行っていく.胎児については,発育の確認,先天的な構造異常の早期発見を目的として観察する.さらに,母子感染のリスクを減少させるための感染症対策や,胎児と胎盤の位置や状態を確認し安全な分娩様式を決定していくのも,妊婦健診の重要な役割である 1)~3).妊婦健診の受診頻度は,初診~妊娠11週までは概ね3回程度,妊娠12~23週は4週間ごと,妊娠24~35週までは2週間ごと,妊娠36~40週までは1週間ごと,41週以降は2回/週以上の受診とされている.妊婦健診では,毎回共通して行われる基本的な検査項目がある.問診による健康状態の把握,体重や血圧の測定,尿検査による尿糖や尿蛋白のチェック,浮腫の評価,胎児超音波検査がこれにあたる.妊娠16週以降の子宮底長を計測する場合もあるが,超音波検査をした場合は省略可能で,腹囲についても意義が不明であるので省略可能とされている 1)~3).妊娠週数に応じて特化した検査も行われる(表1).RhD陰性や不規則抗体陽性妊婦の注意点や管理 母体における注意点RhD陰性妊婦や不規則抗体陽性妊婦では,母体と胎児の2つの視点から注意点を考える必要がある.まず母体に関しては,RhD陰性の血液型は比較的まれで,輸血が必要となった場合に適合血をみつけるのが容易ではないことがあげられる.不規則抗体については抗体に応じて適合率111妊娠中の母体評価妊娠・分娩の基礎知識第3章11Key point妊婦健康診査により産科合併症,合併症妊娠のスクリーニングを行う.RhD陰性および不規則抗体陽性妊婦では母体の輸血適合率と胎児溶血性貧血に注意する.麻酔にかかわる可能性のあるすべての妊婦に麻酔前評価を行う.Key point6060
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