が異なっている.適合率が極めて低い場合には,分娩前に自己血貯血や抗原陰性血液製剤の確保といった対策を講じる必要がある 4).万が一,産科危機的出血などにより抗原陰性血液の投与が間に合わない場合には,ABO同型赤血球の輸血を行い,その後の溶血反応を慎重に観察する 5)6).胎児における注意点RhD陰性の母親がRhD陽性の胎児を妊娠した場合,Rh不適合妊娠となり母体の抗RhD抗体が産生されると,胎児の赤血球を破壊し胎児溶血性貧血を起こす可能性がある.このため,RhD陰性の妊婦は,妊娠初期,妊娠28週前後,そして分娩直後に抗RhD抗体の有無を間接クームス試験で確認する 5)6).RhD陰性の未感作妊婦に対しては,抗D免疫グロブリンが妊娠28週前後と分娩後72時間以内に投与される 7).また,流産,異所性妊娠,羊水穿刺などの侵襲的処置後にも投与が推奨されている 5)6)8).これにより母体での抗D抗体産生を抑制し,次回の妊娠でのRh不適合妊娠を防ぐ.不規則抗体陽性の場合には,不規則抗体ごとに胎児・新生児の溶血性貧血のリスクが異なる(表2).すでに抗体が存在しているのでグロブリン投与は行わない.2妊婦健康診査妊娠時期および検査おもなスクリーニング項目備 考妊娠初期超音波検査胎児数,頭殿長,子宮および子宮付属器, 胎児形態異常(頭部の異常,胎児水腫,四肢欠損など)予定日決定,単胎・多胎の診断,先天性子宮形態異常や筋腫,卵巣囊腫など,染色体異常のスクリーニングを目的としたマーカー検査は任意妊娠初期血液検査ABO血液型,Rh式血液型,不規則抗体スクリーニング母児間の血液型不適合リスク評価感染症(梅毒,HBV,HCV,HIV,HTLV-, 風疹)左記感染症は推奨度A,その他トキソプラズマ抗体は推奨度C,クラミジアは妊娠30週までにスクリーニング血算,随時血糖血液疾患や糖尿病のスクリーニング妊娠中期超音波検査胎児形態異常,羊水量(18~20週),子宮頸管長測定(18~24週)日本産科婦人科学会の推奨チェック項目, 流早産ハイリスク症例の抽出妊娠中期血液検査(24~28週)随時血糖もしくは50gグルコースチャレンジテスト妊娠糖尿病スクリーニング妊娠後期超音波検査(28~31週)胎児形態異常,羊水量,胎盤日本産科婦人科学会の推奨チェック項目, 前置胎盤については遅くとも32週末までに高次施設受診妊娠後期培養検査(35~37週)B群溶血性連鎖球菌分娩時の新生児感染リスク評価妊娠後期(35週以降)NST胎児well-being評価妊娠全期間血圧測定,体重測定,尿検査(糖・蛋白), 児心拍確認,胎児計測,浮腫妊娠経過の継続的モニタリング,合併症の 早期徴候発見表11 妊娠中の母体評価 61第3章妊娠・分娩の基礎知識
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