2733実践 小児てんかんの薬物治療 改訂第2版
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(▶▶第 10 章,第 11 章).②自然終息性てんかん,特発性全般てんかん(▶▶第 2 章 表 2-1)と診断したら,そのてんかん症候群にあ④発作型,てんかん症候群診断薬物療法反応不良局在病変なし反応良好③それ以外MRI局在病変あり薬物療法⑦反応不良薬物療法MRI で限局性�質形成異�(foca� cortica� dys��a�⑥外科適応があれば手術,なければ薬物療法.頭部 MRI で限局性�質形成異�(foca� cortica� dys��a�頭部 MRI で限局性�質形成異�(foca� cortica� dys��a�: 対応・処置⑤外科適応評価⑥手術*: 薬剤抵抗性てんかんの定義は,国際的には 2 剤で抑制できなければ難治となっているが,これは主に成人~高齢の患者での結果であり3),小児では 3 剤以上で発作が抑制されるものが少なくない4)とされるので,少なくとも 3 剤までは試みてよい.チャート 1 てんかんの基本的治療方針①病歴,発作症状,脳波のてんかん性発作波の部位・形②自然終息性てんかん特発性全般てんかん反応良好⑧抗体・遺伝子・代謝検査⑨疾患特異的治療①病歴,発作症状と脳波のてんかん性発作波の部位・形から,発作型とてんかん・てんかん症候群を診断う抗てんかん発作薬(ASM)を開始(▶▶第 2 章 表 2-2).③それ以外であれば,発作型に基づく薬物療法を行いつつ(▶▶第 2 章 表 2-4),頭部 MRI 検査.④旧来の特発性てんかんでも,そのてんかん症候群に適切と思われる 3 剤までで抑制できなければ*,念のため頭部 MRI 検査を実施.⑤頭部 MRI で器質的脳病変があれば長時間ビデオ脳波,PET(特に PET-MRI fusion),SPECT(特に発作時 SPECT と SISCOM),脳磁図などにより外科適応評価,なければ薬物療法.sia:FCD)などの器質的脳病変が認められる場合は,薬物療法で長期間抑制されることはほぼないので,3 剤まで待たずに速やかに手術を考慮.⑦器質的脳病変がない場合でもその発作型に適切と思われる 3 剤までで難治なら*,外科適応評価を検討.特に 1 日 5 回以上の発作群発が 1 週間以上,発作がない日が 1 週間以上,を 2 回以上繰り返す場合はMRI で異�がなくても FCD である可能性が高く1),早めに外科適応評価を実施.⑧器質的脳病変も外科適応もなく,発作症状に適切な薬で難治なら,遺伝子検査,自己抗体検査,基礎疾患の検査を実施.特に乳幼児期発症,頻回発作,知的障害を示す難治てんかんの場合は発達性てんかん性脳症(DEE)のことが多く,早期に遺伝子検査を行う.⑨ Rasmussen 症 候 群, 抗 NMDA 受 容 体抗 体 陽 性 脳 炎 な ど の 免 疫 関連 て ん か ん に 対 す る 免 疫 療 法,GLUT1 欠損症に対するケトン食療法,ピリドキシン依存性てんかんに対するビタミン B6 などの代謝異�症の治療,KCNT1 変異に対する quinidine(変位部位により有効率 25%2)),SCN2A および SCN8Aの gain-of-function 変異に対する Na+チャネル阻害薬(PHT など)等の �recision medicine(精密医療)を考慮(▶▶第 2 章 表 2-3).xiiてんかん治療の流れ

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