本項は,アメリカ肝臓学会(AASLD)・ヨーロッパ肝臓学会(EASL)-ヨーロッパ糖尿病学会(EASD)-ヨーロッパ肥満学会(EASO)・日本のガイドラインを横断し,「誰を評価するか」どの非侵襲的診断法(NIT)をどう組み合わせるか」どこまでをプライマリ・ケアで診て,いつ専門医へ送るか」を,非肝臓専門医にも応用しやすい形で整理する. 1 MASLDという“新ラベル”をどう理解するか:NAFLDからMASLDへ.“名前だけ変更”では終わらない背景を知るMASLDは,旧NAFLDの概念を発展させた疾患概念であり,国際的な名称・分類変更に伴って,診断アルゴリズムや管理方針が再整理されつつある 1-3).2023年以降,AASLD,EASL-EASD-EASO,および日本の学会から相次いで関連ガイドラインや声明が示され,「心代謝系危険因子(CMRF)を基盤とした積極的な診断」「高リスク集団を対象とした非侵襲的線維化評価」心血管・腎合併症を含む包括的リスク管理」が共通のキーワードとなっている 1-4).まず,用語と分類の整理が重要である.EASL-EASD-EASOの臨床診療ガイドラインでは,脂肪性肝疾患全体をSteatotic Liver Disease(SLD)と定義し,その下位に代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD),アルコール関連肝疾患(ALD),代謝異常を伴う中等度飲酒群である代謝機能障害アルコール関連肝疾患(MetALD),さらに薬剤性やウイルス性など特定原因によるSLDを位置づけている.MASLDは脂肪肝の存在に加えて,肥満,SLD時代の新常識:MASLD診療を一気にアップデートする「世界標準+日本発」実践ガイドA» 「NAFLD」から「MASLD」と疾患名が変更されたことで,何が変わり,何が変わっていないのかが整理できる.» AASLD流「健診脂肪肝から進行例を拾い上げる」ステップ評価が,具体的な数値つきでイメージできる.» EASL-EASD-EASO流「全部は調べない,でも重症は逃さない」スクリーニング戦略を,外来フローに落とし込める.» 日本のガイドラインと国際分類の“微妙なズレ”を理解し,日本の現場にフィットする運用のコツがつかめる.» GLP-1受容体作動薬時代に,どの患者をどこまで診て,いつ専門医へ送るかが自信をもって判断できる.ocus PointF2
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