2738即実践 MASLD・MASH診療マスターガイド
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MASLDの診断には,肥満,2型糖尿病,脂質異常症,高血圧症といった心代謝系危険因子の存在が必須であり,臨床的にはメタボリックシンドロームと表裏一体の関係にある.危険因子の構成要素が増えるほど,心血管イベントのみならず,肝線維化や肝がんのリスクは段階的に上昇する.とりわけ2型糖尿病とMASLDは互いに病態を増悪させ,肝線維化・肝がん・心血管イベントおよび全死亡のリスクを顕著に高める.したがって実臨床では,MASLD診療では代謝異常の評価を,代謝異常の診療では肝病態の評価を並行して行う姿勢が求められる. 1 2型糖尿病とMASLD:双方向に作用する「悪循環」MASLDは,2型糖尿病ときわめて深い結びつきをもつ.2型糖尿病患者の半数以上にMASLDが併存することが知られている 1).さらに,両者の合併は臨床現場でしばしば遭遇するだけでなく,相互に病態進展を促進する関係にあることが広く認識されている(図1).実際,MASLDを有する人は将来的な2型糖尿病発症リスクが2倍以上に高まり,2型糖尿病はMASLD進展の主要な危険因子のひとつとされる.2型糖尿病合併MASLDは6割がMASHであり,38%がステージ3または4の進行肝線維化症例であるという報告 2)もあり,特に注意が必要である.2型糖尿病に伴うインスリン抵抗性(IR)は,脂肪組織由来の遊離脂肪酸流入や肝臓でのde novo脂肪合成を亢進させ,MASLDの発症・進展に寄与する.さらに慢性的高血糖は酸化ストレスや小胞体ストレスを増強し,炎症性サイトカインの産生を介して肝細胞障害を惹起する.その結果,アポトーシスやネクローシスなどの細胞死が生じ,MASH,さらには肝硬変・肝がんへの進展を惹起する.一方で,MASLDは肝糖新生の亢進や肝インスリン抵抗性の増悪を通じて2型糖尿病のメタボリックシンドロームとMASLD:切っても切れない関係?D» 2型糖尿病とMASLDは深く結びつき相互に進展を促すため,両者を一体的に管理することが重要である.» 2型糖尿病では,肝酵素値が正常でも進行線維化を見逃しやすく,FIB-4 indexの精度も低下するため,ELFテストやⅣ型コラーゲン7Sを併用して補完的に評価する.» MASLDは肥満・脂質異常症・高血圧症などの心代謝系危険因子と強く関連し,複数併存で肝疾患や死亡リスクが上昇するため,早期からの包括的介入が重要となる.ocus PointF40

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