治療選択肢の拡充により,グルココルチコイドは「漫然と使い続ける薬」から「可能なかぎり早期に減量・中止を目指す薬」へと位置づけが変化しつつあります.副作用を最小限に抑える治療デザインが,これからの SLE 診療の鍵となります. 実際には,中等症 SLE では PSL 20~30 mg/日で導入し,寛解導入後 3 か月以内に 10 mg/日以下,6 か月以内には 5 mg/日以下を目安に減量するのが現実的です.このような明確な目安をもつことで,日常診療における減量戦略の不安を軽減できます. SLE の皮膚病変は,病理組織学的に真皮表皮接合部皮膚炎(interface dermatitis)の有無を基準に,SLE 特異的皮疹と SLE 非特異的皮疹の 2つに大別されます.この分類は皮疹の病理組織学的背景を踏まえたものであり,診断・病型判定の手がかりとなります. SLE 特異的皮疹は,病理組織学的に真皮表皮接合部皮膚炎を伴う病変群であり,SLE の診断に特異度が高く,全身症状との関連も深いとされています.これらの皮疹は疾患活動性と強く相関し,内臓病変を合併しやすい傾向があるため,臨床経過をモニタリングするうえで重要な手がかりとなります.代表例・頭皮病変では瘢痕性脱毛をきたす・紅斑は鱗屑を伴い,中心は萎縮,色素沈着,瘢痕を残す・慢性炎症が持続すると,皮膚がんの母地となる可能性がある・ DLE の亜型[汎発型,瘢痕性硬化型,深在性エリテマトーデス(LE profundus)等]も存在する・抗 SS‒A/Ro 抗体陽性例に多い・光線過敏性が強い・慢性型への移行や瘢痕化は少ない・予後は比較的良好・鼻背から両頬に広がる扁平紅斑(蝶形紅斑)・蝶形紅斑のほか,斑状,丘疹状,TEN 様,全身型などもみられる臨床的特徴図1.皮疹の分類と臨床的意義2.SLE 特異的皮疹3.SLE 非特異的皮疹4.鑑別診断と診察時の着眼点B SLE における皮膚病変の意義と特徴a.鑑別診断 SLE の皮膚病変は多彩であり,臨床現場では他 代表的な皮疹とその臨床的特徴を表 2 にまとめます. SLE 非特異的皮疹は,真皮表皮接合部皮膚炎を欠くか不明瞭な病変で,病理組織学的には非特異的な炎症像を呈します.腎炎や中枢神経症状と併発しやすいことがあり,全身病変を予測する補助的徴候となります. 代表的な皮疹とその特徴を表 3 にまとめます.の皮膚疾患との鑑別がしばしば必要となります. 主な鑑別疾患と診察時の重要所見について表4 にまとめます.Dr. 小寺のClinicalInsight表 2 SLE 特異的皮疹の代表例と臨床的特徴分類慢 性 皮 膚 エ リ テ マトーデス(CCLE)DLE亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)環 状 型, 丘疹落屑型急 性 皮 膚 エ リ テ マトーデス(ACLE)蝶形紅斑DLE:円板状エリテマトーデス,LE:エリテマトーデス,TEN:中毒性表皮壊死症.24図 1図 2図 3~図 5第Ⅱ部 各論
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