β3-アドレナリン受容体を介してミトコンドリアタン色脂肪細胞とは区別されている. 脂肪組織は,アディポカインと総称される様々な生理活性物質を活発に産生・分泌する生体内で最大の内分泌臓器として位置づけられている(図1).大部分のアディポカインはペプチド・タンパクホルモンであるが,遊離脂肪酸(free fatty acid:FFA)に代表される脂質もアディポカインととらえられている.レプチンやアディポネクチンは,脂肪組織特異的に産生される一方,アンジオテンシノーゲンやインターロイキン(IL)-6,plasminogen activator inhibitor type 1(PAI-1),tumor necrosis factor(TNF)-αなどは脂肪組織を含む種々の臓器で産生される.アディポカインは,栄養状態に応じて産生が調節され,その多彩な生物作用を通して生体の恒常性維持に寄与する. レプチンは,循環血液を介して視床下部に直接作用し,強力な摂食抑制とエネルギー消費亢進をもたらす.極めてまれであるが,遺伝的にレプチンあるいはレプチン受容体を欠損する家系が存在し,著しい肥満を発症することが報告されている.一方,大多数の肥満者では,体脂肪量に比例して血中レプチン濃度が上昇し,レプチンの作用障害(レプチン抵抗性)が想定されている. アディポネクチンは,インスリン感受性作用,抗炎症作用を有するアディポカインである.レプチンとは逆に,アディポネクチンは体脂肪量の増加に伴って血中濃度が減少する.臨床的にも,アディポネクチンの 原発性肥満の原因には,エネルギー摂取過剰や運動不足のほか,不規則な生活習慣などの複合的な要因があり,結果としてエネルギー摂取と消費のバランスが破綻し,脂肪が脂肪組織あるいは異所性脂肪として非脂肪組織に蓄積する. 脂肪組織には,形態的にも機能的にも全く異なる白色脂肪組織と褐色脂肪組織が存在する.白色脂肪組織は,余剰のエネルギーを中性脂肪として蓄えるエネルギー貯蔵庫であり,単房性の巨大な脂肪滴を有する.白色脂肪組織は,解剖学的部位により皮下脂肪組織と内臓脂肪組織に大別されるが,肥満症の病態には内臓脂肪組織が深く関与すると考えられている1). 一方,褐色脂肪組織は,多房性の脂肪滴と豊富なミトコンドリアを有し,体内に貯蔵されたエネルギーを消費して熱産生に働く.褐色脂肪組織では,交感神経パク質(uncoupling protein-1:UCP-1)が活性化し,脂肪酸の酸化と熱産生が亢進する.fluorodeoxyglucose(FDG)-PET法により頸部〜胸部に熱産生能を有する機能的な褐色脂肪組織が存在することが明らかになっている. さらに近年,白色脂肪組織においても,寒冷刺激などにより通常は発現しないUCP-1の異所的な発現が観察されている.このような誘導型の褐色脂肪細胞は,白色脂肪組織が褐色様の形質を獲得することにちなんで,brite(ブライト,brown in white)細胞やbeige(ベージュ)細胞とよばれ,肩甲骨付近にみられる従来の褐1レプチン2アディポネクチンアディポカイン白色脂肪組織と褐色脂肪組織肥満症の病態5481肥満症19
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