2759糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第10版
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insulinreceptorIRS1,2PI3KmTORC1SortilinShcERKAktGSK3FoxO1MTTPApoC1IIISREBP-1c図25 肝臓の脂肪酸合成とアポB分泌のインスリンシグナルによる調節機序602肝臓からのVLDL分泌に対する作用4,5) インスリンは肝臓からのVLDL1分泌を抑制する.その結果mTORC1活性も低下してDNLの低下が予想される.しかし,現実には逆にDNLが亢進する(図26).この一見したところ逆説的な現象を「選択的インスリン抵抗性」とよぶ(詳細は第18章 脂質異常症を参照).VLDLの形成に必要な,アポB mRNAの翻訳,MTTP(microsomal triglyceride transfer protein)を介するTG付加,アポC-IIIを介する脂肪滴との融合の各ステップを阻害するためである(図27). mRNAの翻訳に必要な110 kDaタンパクがアポB mRNAの5ʼ非翻訳領域への結合をインスリンは阻害する.アポB mRNAのprocessing(P)-bodiesへの取り込みをインスリンは促進し,その結果,タンパク翻訳の場であるポリリボソームへの局在を抑制する.VLDLの生成に必要なMTTPとアポC-IIIはFoxO1により正の転写調節を受けている.インスリンはAktを介してFoxO1をリン酸化する.リン酸化FoxO1は核外に移動し,その結果,MTTPとアポC-IIIの転写は低下する.1肝臓におけるDNLに対する作用 DNLにかかわる酵素群は,インスリン→AktシグTG血症や脂肪肝の成因にも深くかかわっている. 2型糖尿病では超低比重リポタンパク(very-low-den-sity lipoprotein:VLDL)産生過剰が認められ,高率に脂肪肝を合併する.どちらの病態にもDNLの亢進が寄与している.過剰に産生されたFFAがVLDL-TGの形で肝臓外に分泌されなければ,肝細胞内に蓄積する.肝臓に蓄積するTGの大半は血中のFFA由来であり,DNLの寄与は限定的とされてきたが.肥満を伴う脂肪肝ではDNL の寄与が40%に達するという報告もある.ナルの標的の1つであるmTORC1(mammalian target of rapamycin complex 1)を介しSREBP-1c(sterol regulatory element binding protein-1c)による正の転写調節を受けている1〜3)(図25).mTORC1はリピン1(lipin1)の核内移行を阻害し,リピン1はSREBP-1cを阻害する.また,mTORC1は S6Kの活性化を介してLXR(liver X recep-tor)の核内移行を促進し,SREBP-1cの転写を促進する.肝臓でインスリン抵抗性があれば,Aktが不活化し,脂質合成(lipogenesis)アポB翻訳アポB secretion細胞成長分裂グリコーゲン合成糖新生アポB脂質付加

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