2759糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第10版
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第9章グルコースGLUT4GLUT4 vesicle運動AMPK↑インスリンシグナル伝達関連タンパク↑,毛細血管密度↑,GLUT4↑,筋線維タイプ化9 運動療法245図1 AMPKを中心にした運動の急性効果・慢性効果b. 慢性効果3運動療法の効果a.急性効果考えられている.例えば,in vitroにおいてもインスリン非存在下で筋収縮を電気刺激で起こすと,単離筋での糖取り込みは増大する.そのメカニズムとして,少なくとも,筋収縮中に活性化されたアデノシン一リン酸(AMP)-activated protein kinase(AMPK)によって,4型糖輸送担体(glucose transporter 4:GLUT4)が筋細胞膜上へトランスロケーションし,糖取り込みが惹起されることがあると考えられており,インスリンによるGLUT4のトランスロケーションとは異なる経路であると認識されている.運動による筋でのエネルギー需要の増大に伴い,インスリン非依存的にAMPKが活性化され,運動筋へエネルギー源としてグルコースが供給される3)(図1). また,肥満2型糖尿病において,血管内皮細胞におけるインスリン抵抗性が骨格筋への糖運搬を低下させ,骨格筋のインスリン抵抗性の原因となっている可能性も明らかとなってきている4).運動により骨格筋への血流が増加するが5),これにより骨格筋に対するグルコースとインスリンの運搬も増加し,骨格筋細胞への糖取り込み増加に寄与すると考えられる. 運動を継続することにより,様々な健康に寄与する効果が得られ,そのような効果は運動の慢性効果と定義される.例えば,単回の運動でも血糖値が低下するが,運動をある程度長期間続けることにより,運動をしていないときでも血糖値が上がりにくくなる. このように運動が血糖値上昇に対する慢性効果を発揮する機序の1つは,インスリン抵抗性の改善であると考えられる.例えば,歩行やジョギングで代表され内脂質は長時間の活動や回復期でより利用されやすい.運動中のエネルギー源の選択は,運動の強度や持続時間,個体の体力レベルとそのときの栄養状態などの要因によって決まる3). 運動筋は,他の臓器と同様,アデノシン三リン酸(ATP)がアデノシン二リン酸(ADP)と無機リン酸に分解された際に生じる化学的エネルギーを利用する.最大努力で数秒間しか持続できないような運動(重量挙げなど)では,分解されたATPの再補充にはクレアチンリン酸(CP)からの化学的エネルギーで充当される. 数十秒間継続が可能な運動においては,筋内グリコーゲンが無酸素的にフルクトース-6-リン酸などを経てピルビン酸となり,乳酸へ転換され(解糖),その際に発生するエネルギーでATPが再合成される. したがって,100〜400 mの短距離走のような高強度の運動では,筋内グリコーゲンの分解による解糖が主要なエネルギー産生経路となる.その一方で,低から中強度の運動であると,消費されたATPはグリコーゲン,血中グルコース,骨格筋細胞内脂質,FFAの有酸素的エネルギー代謝(酸化的リン酸化)を経て再合成される.120分以上に及ぶ運動では,FFAがおもなエネルギー源となる. 糖尿病患者において,食後などに生じる高血糖は単回の運動によっても改善することが期待され,この作用は運動の急性効果とよばれる.急性効果の少なくとも一部は,インスリン作用とは独立して生じていると

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