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知っておきたい筋強直性ジストロフィー診断と治療社 | 書籍詳細:知っておきたい筋強直性ジストロフィー
患者さん,ご家族,支援者のための手引き

日本神経学会 監修

初版 A5 並製 112頁 2021年03月31日発行

ISBN9784787825063

定価:3,080円(本体価格2,800円+税)
  

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「筋強直性ジストロフィー診療ガイドライン2020」に準じた37の項目について,必ず知っておいていただきたい「Essence」と,より理解を深めるための「解説」で構成し,イラストなどを交えながらわかりやすく解説しています.筋強直性ジストロフィーの知識と理解を深めるための入門書として,多くの方々に手に取っていただきたい一冊です.

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目次

本書について

総論1 筋強直性ジストロフィーとは
 Q1 原因は何ですか【BQ1-1,BQ1-3】
  Column1 「遺伝子」と「常染色体優性遺伝形成」
 Q2 どのような症状がありますか【BQ1-2】
 Q3 平均寿命や死因(死亡の原因)について教えてください【BQ1-4】
総論2 診断・遺伝相談
 Q4 どのように診断するのですか【BQ2-1】
 Q5 子どもが欲しい場合,いつ,どのように遺伝カウンセリングを受けたらよいですか【BQ2-2,BQ2-3】
 Q6 妊娠・出産をきっかけに診断された場合,どのように遺伝カウンセリングを受けたらよいですか
     【BQ2-4,BQ2-5】
総論3 機能評価・検査,合併症検索
 Q7 どんな検査・評価を定期的に受けたらよいですか【BQ3-1】
総論4 治療開発の現状と治験推進のための基盤整備
 Q8 どのような薬が使われていますか,治療薬の開発は進んでいますか【BQ4-1】
  Column2 神経・筋疾患患者登録Remudyについて
総論5 社会支援制度
 Q9 利用できる社会支援制度は何がありますか【BQ5-1】

各論1 運動機能障害・リハビリテーション
 Q10 運動する場合の注意点は何ですか【BQ6-1】
 Q11 どのようなリハビリテーションが有効でしょうか【BQ6-2】
 Q12 役に立つ福祉用具や環境整備はどのようなものですか【BQ6-3】
各論2 呼吸の障害
 Q13 呼吸障害の特徴は何ですか【BQ7-1】
 Q14 人工呼吸管理は有効ですか【FQ7-2】
 Q15 呼吸リハビリテーションは有効ですか【FQ7-3】
各論3 心臓の障害・不整脈
 Q16 心臓についてはどのような問題がありますか【BQ8-1】
 Q17 不整脈にはどのような治療を行いますか【FQ8-2,FQ8-3】
各論4 飲み込み・胃腸・歯に関する問題
 Q18 定期的に嚥下機能を評価することで,窒息や肺炎を予防できますか【FQ9-1】
 Q19 嚥下障害に対する代替栄養法は予後を改善しますか【FQ9-2】
 Q20 便秘などにはどのように対処しますか【BQ9-3】
 Q21 口腔内の特徴にはどのようなものがありますか【BQ9-4】
 Q22 口腔ケアや歯科治療で注意すべきことは何ですか【FQ9-5】
各論5 中枢神経障害
 Q23 中枢神経障害にはどのようなものがありますか【BQ10-1】
 Q24 中枢神経障害はどのような方法で評価するのですか【BQ10-2】
 Q25 中枢神経障害に対する有効な治療法はありますか【BQ10-3】
  Column3 自覚症状に乏しい
各論6 代謝障害
 Q26 糖尿病のスクリーニング検査はどのようにしたらよいのでしょうか【BQ11-1】
 Q27 糖尿病がある場合の血糖コントロール目標はどうすべきでしょうか【FQ11-2】
 Q28 糖尿病の治療にどのような薬剤が使われますか【FQ11-3】
 Q29 脂質異常症に対してどのように対応するのがよいでしょうか【FQ11-4】
  Column4 糖と脂質と肝臓
各論7 その他合併症
 Q30 腫瘍の合併は多いですか【BQ12-1】
 Q31 目の症状は,治療したらよくなりますか【FQ12-2】
 Q32 耳鼻咽喉科(耳,鼻,のど)にはどのような症状がありますか【BQ12-3】
各論8 妊娠・出産管理,先天性患者
 Q33 女性の患者さんが妊娠中または産後に気をつけることは何ですか【BQ13-1】
 Q34 先天性筋強直性ジストロフィーの特徴は何ですか【BQ13-2,BQ13-3,BQ13-4】
 Q35 先天性筋強直性ジストロフィーの子育てで気をつける点は何ですか【BQ13-5】
  Column5 先天性筋強直性ジストロフィーのお子さんの親御さんたちへ
各論9 全身麻酔・外科的処置
 Q36 麻酔や鎮静を受けるときに気をつけることは何ですか【BQ14-1,FQ14-2,FQ14-3】
 Q37 帝王切開術に対する注意点は何でしょうか【FQ14-4】

巻末資料 「筋強直性ジストロフィー診療ガイドライン2020」の作成に携わった先生方

各項のタイトルの後ろのBQ,FQは「筋強直性ジストロフィー診療ガイドライン2020」における項目番号です.BQは回答項目,FQは推奨項目を意味しますが,内容の重要性には違いはありません.

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序文

本書について

1 背景と目的
 筋強直性ジストロフィーは,筋ジストロフィーのなかでは最も患者さんの多い疾患です.さらに,骨格筋の障害に加え,全身の諸臓器が冒される多臓器疾患でもあります.医療管理においては,全身の合併症に対する集学的な医療が重要です.しかし,本症の患者さんはご自分の症状に気づかず,適切な診断・医療管理を受けておられないことが多いのが現実です.さらに,医療者側にも多彩な全身合併症への理解が不十分で,関連する診療科が連携した適切な集学的管理を行えていない場合も少なくありません.筋強直性ジストロフィーの生命予後(寿命)は改善が乏しいといわれていますが,その背景にはこうした問題があります.また,本症の存在に気づいていないために,妊娠管理や全身麻酔を伴う外科的手術において,トラブルになる深刻な事例もあります.
 私たちは,筋強直性ジストロフィーが抱える医療課題の全体像を把握し,集学的医療を行うためのツールとして,診療ガイドラインが重要であると考えました.また,開発が進みつつある新しい治療法の有効性・安全性を鋭敏に評価するためには,医療の標準化がなされていることが重要です.診療ガイドラインは,標準的医療の普及においても大きな役割を果たすと考えました.
 このような背景のもと,私たちは日本神経学会による「筋強直性ジストロフィー診療ガイドライン2020」(以下「ガイドライン」とします)を作成し,2020年9月に発刊しました.ガイドラインは医師向けに作成されており,一般の方向けではありません.しかし,適切な医療管理のためには,患者さんやそのご家族,支援者の方々にも,ガイドラインのエッセンスをお伝えし,ご理解いただくことが大切と考えました.本書はこのような目的で作成したものです.

2 本書の対象
 筋強直性ジストロフィーには1型と2型がありますが,わが国ではほとんどが1型のため,特に断らない限り,本書の内容は1型について記載しています.
 本書の読者対象は,患者さん,ご家族,支援者を想定しています.

3 ガイドラインとの関係,読み方
 本書は,ガイドラインの内容を一般の方向けに書き換えたものです.
項目や内容は,基本的にガイドラインに準じていますが,できるだけコンパクトにするため,いくつかの項目をまとめて記載したところがあります.項目のタイトルも,一部書き換えています.このため,各タイトルの後には,ガイドラインにおける該当項目を記載しています.BQはガイドラインの回答項目,FQは推奨項目を意味します(BQ1-1,FQ7-3など).
 各項目は,タイトル(臨床疑問)と,それに対して最低限知っておいていただきたい「Essenceこれだけは知っておこう」,理解を助けるための「解説―より詳しい理解のために」で構成しています.また,専門用語については,文中に( )内に記載する,用語解説として記載する,などしています.
 内容は,基本的にガイドラインに準じていますが,患者さん・ご家族などに伝えたいことは追加する,細かなデータや専門的な内容(治療内容の詳細など)は削除する,などしています.より専門的なことを知りたい方は,ガイドラインもお読みください.

4 本書とガイドライン作成に携わった方々
 ガイドラインの作成に携わった方々は,巻末に参考資料として掲示しました.
 筋強直性ジストロフィーの患者さんは小児から成人までおられ,医療における課題も多岐にわたります.このため,ガイドラインの作成では,神経内科専門医・小児神経専門医9名,リハビリテーション科専門医1名に加え,日本顎口腔機能学会,日本産科婦人科学会,日本糖尿病学会,日本不整脈心電学会,日本麻酔科学会に協力を依頼し,編集委員・医学専門家として参加いただきました.また,エビデンスを検索・評価するシステマティックレビュー委員には神経内科専門医・小児神経専門医9名と産婦人科専門医1名に参加いただきました.評価・調整委員には神経内科専門医2名に加え,医療の受け手である患者さんの意見を反映する目的で「筋強直性ジストロフィー患者会」の代表者1名にも参加いただいています.ガイドラインの作成指導には,日本医療機能評価機構Mindsの代表者にも参加いただき,ご指導をいただきました.
 本書の作成は,厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)(厚労科研)「筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究」の班員でガイドライン作成に携わった先生を中心に素案を作成いただき,ガイドライン作成メンバーのご意見もいただいてまとめています.当事者の立場からのご意見を反映させるため,筋強直性ジストロフィー患者会の有志の方々に査読いただきました.また,日本神経学会にも査読のうえ承認いただいています.
本書のおもな作成メンバー(50音順)
秋澤 叔香   東京女子医科大学産婦人科(日本産科婦人科学会)
石垣 景子   東京女子医科大学小児科
岩橋 博見   市立豊中病院内分泌代謝内科(日本糖尿病学会)
尾方 克久   国立病院機構東埼玉病院臨床研究部/神経内科
久留  聡   国立病院機構鈴鹿病院脳神経内科
小林 道雄   国立病院機構あきた病院脳神経内科
諏訪園秀吾   国立病院機構沖縄病院脳神経内科
瀬川 和彦   国立精神・神経医療研究センター病院循環器科(日本不整脈心電学会)
髙田 博仁   国立病院機構青森病院脳神経内科
髙橋 俊明   国立病院機構仙台西多賀病院脳神経内科
高橋 正紀   大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻生体病態情報科学
花山 耕三   川崎医科大学リハビリテーション医学
日野 博文   聖マリアンナ医科大学病院麻酔科(日本麻酔科学会)
松村  剛   国立病院機構大阪刀根山医療センター脳神経内科
皆木 祥伴   大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座有床義歯補綴学・
高齢者歯科学分野(日本顎口腔機能学会)

5 本書の作成資金
 本書は,厚労科研「筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究」班の研究費によって作成し,ほかの組織・団体・企業からの資金提供は受けていません.作成に携わった先生方への金銭的な報酬はありません.

6 本書の利用にあたっての注意
 筋強直性ジストロフィーは,発症年齢や重症度の幅が広く,全身合併症も個々の患者さんで異なります.ガイドラインや本書では,典型的な患者さんを念頭に作成していますが,その内容はすべての患者さんに一律に適用できるものではありません.ガイドラインが,個々の患者さんの治療方針を決めるものではないことをご理解ください.実際に医療を受けられる際には,本書やガイドラインを参考に,診療で得られたデータ,ご自身やご家族の価値観や環境などを踏まえ,担当医とよく相談し,納得したうえで選択いただくようお願いします.本書やガイドラインが,皆様の治療方針決定の過程において参考資料として役立つことを願っています.

7 著作権
 本書の著作権は研究班,日本神経学会および作成者に属します.許可なく転載することなどは禁止します.
*2次利用などのご相談に関しましては,発行元である診断と治療社にお問い合わせください.