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書籍詳細

外傷救護の最前線診断と治療社 | 書籍詳細:外傷救護の最前線
―事態対処医療の手引き―

防衛医科大学校防衛医学研究センター外傷研究部門・病院救急部

齋藤 大蔵(さいとう だいぞう) 編集

防衛医科大学校防衛医学研究センター外傷研究部門・病院救急部

関根 康雅(せきね やすまさ) 編集

防衛医科大学校病院救急部

吉村 有矢(よしむら ゆうや) 編集

防衛医科大学校病院救急部

秋冨 慎司(あきとみ しんじ) 編集

防衛医科大学校眼科兼務講師

後藤 浩也(ごとう ひろや) 編集

初版 B5判 並製 144頁 2018年07月10日発行

ISBN9784787823267

定価:本体4,300円+税
  

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もし、テロが起こったら……あってはならない非常事態に備え、今、心得ておくべき「事態対処医療」の概念から、爆傷・銃創などの外傷救護における最前線のスキル・最先端のトピックスを紹介。医療従事者はもちろんのこと、警察官・消防職員・自衛官などの初動対応関係者に身につけてほしい、命を守る術を網羅した必携の書。

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目次

序 文 …齋藤大蔵
執筆者一覧

◆総 論
A.事態対処外傷救護
 1 事態対処外傷救護(tactical combat trauma care:TCTC)とは …齋藤大蔵・関根康雅
 2 ホットゾーン:脅威の排除と脱出 …後藤浩也
 3 ウォームゾーン:コレクションポイントにおける救命処置 …関根康雅
 4 ウォームゾーンからコールドゾーンへ:後方への患者搬送 …瀬野宗一郎

◆各 論
A.事態対処時におけるスキル
 1 ドラッギング・徒手搬送法 …礒井直明
 2 止 血 …秋冨慎司・森 公慶
 3 気道確保 …吉村有矢
 4 胸腔穿刺 …竹島茂人
 5 骨髄輸液 …高柳悦史
 6 米軍における後送要請 …後藤浩也
 7 鎮 痛 …吉村有矢
 8 出血性ショック・血液製剤 …吉村有矢
 9 抗菌薬 …小岩井和樹
B.事態対処外傷の基本
 1 爆 傷 …齋藤大蔵
 2 耐弾時鈍的外傷 …藤田真敬
C.外傷別レクチャー
 1 頭部外傷 …戸村 哲
 2 顎顔面外傷 …村上 馨
 3 眼外傷 …後藤浩也
 4 骨盤骨折・後部尿道外傷 …堀口明男・田脇 渉
 5 四肢外傷 …寺山毅郎
 6 熱 傷 …寺重 翔・吉村有矢

索 引

◎Column
ハートフォードコンセンサス/現場の証拠保全/陽圧換気後に注意/米軍におけるMEDEVAC/出血の病態生理/頭部爆傷/クラッシュ症候群

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序文

序 文

 2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えるわが国にとって,あってはならないテロの発生に備え,万が一の際の救急救護・医療体制の構築は喫緊の課題といえる.しかしながら,日本国内では幸運なことにテロ事案の発生が外国と比較して少なかったため,わが国の救急救護・医療関係者にはほとんど経験がないといっても過言でない.特に外国のテロ事案のほとんどを占める爆弾テロや銃撃テロに対しては,わが国における救急救護・医療体制は十分でないのが実状である.本書は,国内で爆傷・銃創が発生した際の病院前救護について執筆しており,国民・市民のための外傷救護の最先端について記載したものである.
 米国ではテロリズムなどの不測の事態が発生した際のtactical emergency medical services(TEMS)という救急救護システムがあり,わが国の「事態対処医療」にあたる.TEMSの科学的エビデンスの拠り所はtactical combat casualty care(TCCC)という戦術的戦傷救護にあり,有事において爆発や銃撃によって負傷した兵士を救うための救急救護ガイドラインを基盤にしている.TCCCは年々バージョンアップされて2010年からは米軍全軍に導入され,世界に拡がっている.イラク・アフガニスタンにおける多くの米軍兵士の犠牲から得られた教訓・知恵・技能を,テロ対策のための救急医療に応用することが米国社会では求められているのである.
 TEMSの日本版である事態対処医療のなかで,その中核といえる爆傷・銃創に対する病院前救護を「事態対処外傷救護(tactical combat trauma care:TCTC)」と定義し,その最前線のトピックスについてまとめたのが本書である.米国と日本では法規も違えば,救急救護システムも異なるので,日本国内での事態対処医療は米国のTEMSと異なる側面をもたざるをえない.日本の医療関連の法律に則った現実的な外傷救護を行うことが大切であり,本書が少しでも参考になればこの上もなく光栄である.そして,爆傷や銃創は特徴を有する外傷であり,本書を事態対処医療の手引きとして利用していただければ幸いである.

2018年6月

執筆者を代表して
防衛医科大学校防衛医学研究センター外傷研究部門・病院救急部
齋藤大蔵