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書籍詳細

これならわかる! 小児科診療に活かせる
遺伝学的検査・診断・遺伝カウンセリングの上手な進めかた診断と治療社 | 書籍詳細:遺伝学的検査・診断・遺伝カウンセリングの上手な進めかた

国立成育医療研究センター臨床検査部 / ライソゾーム病センター

奥山 虎之 (おくやま とらゆき) 編集

東京女子医科大学統合医科学研究所 / 附属遺伝子医療センター

山本 俊至(やまもと としゆき) 編集

初版 B5判 並製 232頁 2016年10月15日発行

ISBN9784787822581

定価:本体5,200円+税
  

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小児における遺伝学的検査 → 診断 → 遺伝カウンセリングという一連の流れを,症例から具体的に紐解いていくことで,小児医療に携わる読者へ向けてわかりやすく解説した書籍.遺伝学的検査として用いられる各種検査法の概要や臨床的意義,遺伝学的検査が遺伝性疾患に果たす役割などを簡潔かつ平易に記載した.遺伝カウンセリングのポイントまで示したことで,患者家族への適切な“遺伝医療”のありかたを考えることができる.

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目次

序文
執筆者一覧
本書疾患と遺伝形式・検査一覧
基本的な個体記号


総論

①遺伝学的検査の概要
1.遺伝学の基礎知識  山本俊至
2.遺伝学的検査とは  山本俊至

②遺伝学的検査における留意点
1.遺伝学的検査を実施する際の留意点  奥山虎之
2.出生前診断  奥山虎之
3.遺伝学的検査における小児期特有の問題  奥山虎之
4.遺伝カウンセリング  奥山虎之
5.倫理委員会への申請  奥山虎之


各論

①内分泌
1.特発性低身長(SHOX遺伝子異常症)  西村 玲,神﨑 晋
2.性分化疾患(SRY遺伝子異常症)  西村 玲,神﨑 晋
3.Kallmann症候群  西村 玲,神﨑 晋
4.多発性内分泌腫瘍症  西村 玲,神﨑 晋

②代謝
1.Lowe症候群(眼—脳—腎症候群)  中西浩一
2.尿素サイクル異常症(OTC欠損症など)  中村公俊
3.有機酸代謝異常症  但馬 剛
4.ミトコンドリア病  大竹 明
5.ムコ多糖症(ムコ多糖症II型を中心に)  奥山虎之
6.Fabry病  小林正久
7.Pompe病  小須賀基通
8.ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィーを中心に)  下澤伸行
9.銅代謝異常症(Wilson病)  清水教一

③神経・筋
1.MELAS  山本俊至
2.筋緊張性ジストロフィー  山本俊至
3.Xq28重複症候群  山本俊至
4.Rett症候群  山本俊至
5.脊髄性筋萎縮症  山本俊至
6.もやもや病  山本俊至
7.Prader-Willi症候群  山本俊至

④免疫
1.原発性免疫不全症  今井耕輔

⑤血液・がん
1.血友病  滝 智彦
2.先天性赤芽球癆(Diamond-Blackfan貧血)  滝 智彦
3.白血病における生殖細胞系列染色体異常  滝 智彦

⑥腎
1.Alport症候群  中西浩一
2.多発性囊胞腎  中西浩一
3.尿細管性アシドーシス  中西浩一

⑦循環器
1.遺伝性QT延長症候群  山岸敬幸,吉田 祐
2.22q11.2欠失症候群(DiGeorge症候群)  山岸敬幸,吉田 祐
3.先天性心疾患  山岸敬幸,吉田 祐

⑧染色体異常
1.染色体微細欠失  下島圭子
2.不均衡転座  下島圭子
3.Robertson転座によるDown症候群  下島圭子

⑨薬剤関連PGx
1.Dravet症候群におけるスチリペントールとCYP2C19多型  甲賀健史,小坂 仁
2.ワルファリンの治療・投与量予測  田口雅登,市田蕗子
3.ミトコンドリアDNAの遺伝子変異によるアミノグリコシドの副作用(感音難聴)の発症予測  松永達雄
4.慢性C型肝炎に対するインターフェロン治療とIL28B遺伝子多型  別所一彦

⑩骨系統・皮膚結合組織疾患
1.Marfan症候群  古庄知己
2.Ehlers-Danlos症候群  古庄知己
3.軟骨無形成症(軟骨異栄養症)  岡本伸彦
4.結節性硬化症  岡本伸彦

⑪腫瘍関連疾患
1.Gorlin症候群  藤井克則
2.PTEN異常による大腸ポリポーシス  佐々木美香
3.家族性乳がん(遺伝性乳がん卵巣がん症候群を中心に)  野口恵美子,有田美和
4.Noonan症候群  岡本伸彦

⑫感覚器
1.色覚異常  岡本伸彦
2.難 聴  古庄知己


MIM番号一覧
索引

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序文

 ヒト遺伝子の塩基配列が決定され,多くの遺伝子と先天性疾患との関連性も明らかになってきました.先天性疾患の多くが小児期発症であることを考慮すると,小児科診療において,遺伝学的検査は不可欠の要素になりつつあります.
 2011年2月に日本医学会は「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」を作成しました.本書編者の一人である奥山はこの作成に関与しました.日本医学会ガイドラインは日常診療のなかで遺伝学的検査を有効活用するにあたり,遵守することが望ましいと思われる内容を総論的に記載しております.個々の診療科に対して,それぞれの診療科の実情に即した,より具体的なマニュアルを各医学会分科会が作成することを求めています.これを受けて,日本小児科学会は2011年6月に遺伝学的検査検討ワーキンググループを組織しました.このワーキンググループで,本書編者の奥山・山本をはじめ,各小児科学会分科会から推薦されたメンバーとともに遺伝学的検査Q and Aを作成しました.このQ and Aは日本小児科学会ウェブサイトに掲載されています.本書はこのときのメンバーが中心となり作成した,小児医療における遺伝学的検査実践マニュアルともいうべき書籍です.
 本書は,総論と各論から構成されております.総論では,遺伝学的検査として用いられる各種検査法の概要とその臨床的意義,および医学会ガイドラインや小児科学会遺伝学的検査Q and Aの解説を記載しました.また,各論では,日常診療で遭遇することの多い疾患を取り上げ,それぞれの分野で中心的に活動されている専門医の皆様に,遺伝学的検査が果たす役割を簡潔かつ平易に記述していただいております.日本医学会ガイドラインには,「診断は遺伝学的検査の結果のみにより行われるのではなく,臨床医学的な情報を含め総合的に行われるべきである」と記載されています.本書ではこのことを特に重視しました.
 本書は,小児のサブスペシャルティの各分野の専門医だけでなく,小児科を志す研修医や小児科若手医師にとっても大変参考になると確信しております.本書を参考にして,遺伝学的検査を小児医療に有効に活用していただけることを祈念しております.

2016年9月

奥山虎之
国立成育医療研究センター臨床検査部 / ライソゾーム病センター

山本俊至
東京女子医科大学統合医科学研究所 / 附属遺伝子医療センター