ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム 改訂第2版
定価:3,960円(税込)
女性泌尿器科医を30年くらいしていて,20年前から女性医療クリニックLUNAグループという女性泌尿器科,産婦人科,女性内科,乳腺科,美容皮膚科,骨盤底リハビリテーション,ヘルスケアスタジオなどを有する女性医療専門クリニックグループを横浜元町で開業しています.ずいぶん前から女性泌尿器科外来のマニュアルをつくろうと思っていました.しかし忙しくてなかなか作成できず2020年に劇症肝炎で2か月入院したときに,やっと時間ができて,当院内でのマニュアルを作成しました.今回この院内マニュアルをベースに,たくさんの方の協力を得て,かなり完成度の高い女性泌尿器科外来の診療マニュアルを作成することができました.種々の患者さんと遭遇する日々の診療で,まずどう対応すればよいのかに重点をおき記述しました.女性泌尿器科学は,まだ新しい学問ですので,将来的には診療方針の方向性が変わることもあると思います.しかし2026年時点の当院で行っている診療をできる限り再現できたと思っています.
女性の生き方は,この40年でもずいぶん変化してきましたし,今も大きく変化しています.それに伴って女性泌尿器科診療も変化しています.21世紀に入りQOL医療の必要性が叫ばれるようになり,2015年頃からは女性の健康課題を女性自身や組織・社会で考えるフェムテック運動もさかんになっています.このなかでおもに中高年女性のQOL向上に大きくかかわる女性泌尿器科診療は,ますますその重要性が増していくと確信しています.
女性の人生100年,多くの中高年女性を不快な症状から救うとともに,自分自身の人生も,楽しく充実させていきましょう.
2026年4月
女性医療クリニックLUNAグループの第3ブランチ
アクティブシニアクリニックLUNA沖縄の診療室にて
女性医療クリニックLUNAグループ 理事長
関口由紀
はじめに
編集・執筆者一覧
Part1 骨盤底を理解しよう / 関口由紀
1 骨盤底の解剖
2 骨盤底の機能
Part2 疾患を理解しよう / 関口由紀
1 腹圧性尿失禁
2 過活動膀胱
3 骨盤臓器脱
4 間質性膀胱炎/ 膀胱痛症候群、慢性骨盤痛症候群、外陰痛症候群、慢性疼痛症、線維筋痛症
5 閉経関連尿路性器症候群(GSM)
6 女性性機能障害
Part3 検査・質問票を理解しよう / 関口由紀
1 ストレステスト
2 超音波検査
3 尿検査
4 視診・クスコ診
5 残尿測定
6 24時間パッドテスト
7 オックスフォードスケール
8 ウロダイナミックスタディ
9 POP-Q測定
10 尿失禁質問票
11 P-QOL質問票(骨盤臓器脱、骨盤底障害、閉経関連尿路性器症候群)
12 排尿日誌
Part4 患者指導の実際を理解しよう
1 経腟触察による骨盤底リハビリテーション / 笹岡愛加
2 経腟触察以外による骨盤底筋トレーニング / 笹岡愛加
3 ペッサリーの自己着脱療法 / 増田洋子
Part5 外来でできる手術を理解しよう / 中村綾子
1 性交疼痛症に対するA型ボツリヌス毒素注射療法
2 腟前庭切除術/ 腟前庭形成術
3 A型ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法
4 腟弛緩症に対する腟縮小術
コラム
・みえない場所で体を支える名脇役
・骨盤底が傷害されると何が起こる?
・骨盤底筋はみえないけれど鍛えられる筋肉
・骨盤底障害だけでなく膀胱粘膜のデリケートさが原因の尿トラブル
・ヒアリングと医師の手腕
・フランスではフェムゾーンケアは常識!
・おしっこをたくさんするために水をいっぱい飲む?
・POP 改善の1 つの選択肢―リングペッサリー療法
・尿失禁やPOPの悩みのお助けグッズ
・排尿日誌のススメ
・月経に関連する疼痛(月経前症候群や月経困難症)
・筋筋膜性骨盤疼痛症候群
・治療困難例
・経腟エネルギーデバイスとは?
・ポスト更年期以降の健康管理
・女性にも男性ホルモンが必要?
・女性版バイアグラ?
・女性へのテストステロン補充の可能性
・「先生、咳しただけで尿が出ちゃうんです」
・尿道口からの1 滴を見逃さない観察眼が診断を確かなものにする
・膀胱は心と体の鏡である
・パッド枚数の減少が語る回復の物語
・骨盤底の感覚を取り戻すということ
・診断に迷うならUDSを
・POP-Q測定上達のコツ
・尿失禁質問票は「診断」と「寄り添い」を両立させるツール
・P-QOLは「治療を急がせる指標」ではない
・排泄は「最も原始的な自己管理」―身体が発する微細な声に耳を澄ます
・経腟触察とは
・ペッサリーの自己着脱はQOLに直結
索引