株式会社 診断と治療社

産科と婦人科 最新号

  • 臨床にすぐに役立つ知識や最新知見を毎号1テーマで特集.
  • エキスパートによる解説が読み応え十分!
  • 増刊号は網羅的な構成で「手元にあると便利な1冊」として毎年好評.
  • 2色刷りのビジュアルな誌面でポイントが一目でわかりやすい.

雑誌「産科と婦人科」2025年 Vol.92 No.6 新時代の若手キャリアをつくる―産婦人科教育の最前線―

定価:
3,300円(本体価格 3,000円+税)
在庫:
在庫無し

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掲載論文

企画 鈴木幸雄 宮城悦子

Ⅰ.総 論
1.産婦人科における医学教育の変遷と新時代の形―若手キャリアの処方箋― / 杉村政樹
2.医学教育が産婦人科に与える影響と地域におけるインパクト / 磯部真倫
3.未来へ向けた産婦人科専門医制度 / 関沢明彦・他

Ⅱ.各 論
4.周産期・新生児分野における教育の最前線 / 小谷友美・他
5.婦人科腫瘍分野における教育の最前線 / 安彦 郁
6.生殖医療分野における教育の最前線 / 佐古悠輔
7.女性ヘルスケア分野における教育の最前線 / 石川博士・他
8.腹腔鏡,ロボット手術が産婦人科教育を変える / 小松宏彰
9.国際学会や英文論文出版へのモチベーション / 鈴木幸雄
10.地域格差のない教育環境を創出する―手術教育プラットフォームOSVDとOSPの挑戦― / 堀澤 信・他
11.オンラインプラットフォームを用いた新しい働き方,教育,情報発信 / 重見大介
12.SNSの活用が産婦人科教育を変える / 近澤研郎
13.未来を紡ぐ産婦人科研究―魅力と意義,そして次世代への架け橋― / 東山希実・他
14.海外留学のススメ / 津田さやか
15.産婦人科教育における公衆衛生・医療行政へのかかわり / 井上恵莉
16.AIが拓く産婦人科教育の未来 / 佐藤雅和

連 載
漢方よもやま話 第18回 
五苓散 / 能㔟充彦

弁護士が答えます!法律にまつわるあれこれ 
院内設備による事故が起こった場合,どんな賠償責任を負うことがあるの? / 山田隆史

症 例
急性腹症のため緊急腹腔鏡手術を行った卵巣過剰刺激症候群の2例 / 立花綾香・他

ねらい

 いつの時代も「教育」は次世代へ知識や技術をつないでいき,医学を発展させるために大切な役割を果たしてきました.見て学ぶ,聞いて学ぶ,調べて学ぶ,やってみて学ぶ―これらの教育における基本的要素の価値は変わらないものの,その手法やプロセスは近年大きく変化してきました.
 手術を例にあげれば,開腹,腟式から腹腔鏡,子宮鏡,そしてロボット手術へと急速に技術革新が進んだこの20年.技術革新をきっかけに,その教育システムも大きく変わってきました.手術に直接参加しなければ得られなかった経験や知識は,記録媒体の進化によって簡単に共有されるようになり,まさに技術の「見える化」が実現されました.また世界的パンデミックによるコミュニケーション手法の変化に伴い,こうしたリアルな経験や知識はオンライン上で誰でも等しく手に入れられるものとなりました.目の前の手術書だけに頼っていた時代が,身近な先輩の教えがすべてだった時代がこの5年ほどで一気に変わり,情報も教育も民主化されつつあります.
 さて,技術革新,情報共有革新が進むなか,果たして産婦人科学は発展していくでしょうか.本当に情報の民主化によって産婦人科教育の格差は改善しているのでしょうか.また,時代は医師の働き方改革や個人の価値観の変容をもたらし,医師のキャリアもダイバーシティが拡大しています.そのなかでも産婦人科全体としても個人としても成長や発展への歩みを止めるわけにはいきませんし,社会からは新時代のスピードに見合う成長が期待されています.
 産婦人科領域においては女性の健康に対する社会ニーズが高まる一方,分娩数減少という大きな波も押し寄せています.こうしたなかで今後も先人たちが築き上げてきた産婦人科学を後進へつないでいきながら,さらなる発展へ向かうための処方箋を各分野の専門家,オピニオンリーダーからいただき,新時代における産婦人科教育の道標をここにまとめていきたいと存じます.

(神奈川県立がんセンター婦人科 鈴木幸雄)
(横浜市立大学医学部産婦人科学教室 宮城悦子)
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