株式会社 診断と治療社

診断と治療 最新号

  • わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る.
  • 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点.連載企画も充実.
  • 増刊号も毎回シャープな切り口と実臨床に役立つ内容が大好評.
  • 2色刷のビジュアルな誌面で読みやすい.

雑誌「診断と治療」2025年 Vol.113 No.5 在宅医療アップグレード2025

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2,970円(本体価格 2,700円+税)
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掲載論文

ねらい  木村琢磨

総 論
 在宅医療のやりがい,ネットワークづくり  山寺慎一
 在宅医療における多職種連携・協働に必要な臨床的視点と医師の役割  木村琢磨

在宅医療とケア移行
 在宅医療を導入するコツ  江口幸士郎
 在宅医療導入の障壁への対応  末藤和正
 在宅医療におけるケア移行の実際  朴澤憲和

訪問系サービスとの多職種連携
 服薬アドヒアランスが低い独居患者への対応  鈴木邦彦
 簡易懸濁法による薬剤投与の理論と実際  青木学一,餅原弘樹
 訪問栄養食事指導の意義と効果  矢野目英樹
 在宅呼吸リハビリテーションの意義と効果  中田隆文

在宅における疾病管理のコツ
 在宅終末期がん患者における緩和的鎮静  橋本孝太郎
 神経難病の在宅主治医としての心構え  沼沢祥行
 在宅医療における尿道カテーテル抜去のコツ  大川あさ子

地域包括ケアと在宅医療
 施設・高齢者住宅での連携と看取り  小倉和也
 在宅医療と成人移行支援  島﨑亮司
 災害時における在宅医療の医療提供体制  清水政克

連載
ジェネラリストのための咽頭のみかた
 子どものいびきが気になる!  藤田友理
弁護士が答えます! 法律相談クリニック
 教えて! 管理者院長は労働者?! ~「雇われ院長」の労働者性に注意~  松村武志

ねらい

 わが国は,後期高齢者が増加する社会的な節目といわれてきた“2025年問題”の2025年を迎え,在宅医療は量的な拡充とともに質向上が求められる段階に入ったといえる.本特集では,“2025年問題”に直面した今こそ,在宅医療の質向上を目指す必要があると考え,在宅医療にかかわる今日的な課題に対して実践的な解決策を提案することを目的とした.在宅医療は,医療と介護,多職種連携が基盤であり,診療所・病院,地域・専門性など様々な背景の医師,薬剤師,理学療法士,栄養士,医療ソーシャルワーカーにご執筆いただいた.
 まず,「訪問系サービスとの多職種連携」や「疾病管理」の質向上に目を向け,増加している独居患者を念頭においた薬剤管理,簡易懸濁,栄養指導,呼吸リハビリテーションの意義を改めて整理した.さらに,医療の役割が特に大きい例として,鎮静を要する場合,神経難病を取り上げ,病院で留置された尿道カテーテルの抜去という在宅現場で忘れてはならない役割にも焦点を当てた.
 次に,在宅医療の質向上では,「ケア移行」や「地域包括ケア」を日々の臨床で意識することが求められ,在宅医療導入のコツ,患者とその家族を含む意思決定支援,具体的な情報のやりとり,介護施設における診療,成人移行支援とともに,災害対応も取り上げた.
 「総論」では,在宅医療のやりがいとネットワークづくり,多職種との連携と表裏一体である医師の役割についての論考を試みた.今後,在宅医療の質を向上させる鍵は,在宅医療を行う医師自身がやりがいをもって役割を果たすことであると考えたためである.
 本特集が,読者にとって在宅医療の魅力と可能性を再認識し,地域での実践の一助となれば幸いである.そして,次に来たるべき“2040年問題”への備えにつながることを切に願う.

東京科学大学総合診療科/介護・在宅医療連携システム開発学講座
木村琢磨
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