株式会社 診断と治療社

診断と治療 最新号

  • わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る.
  • 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点.連載企画も充実.
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雑誌「診断と治療」2025年 Vol.113 No.3 これで慌てない! 消化管出血マネージメント

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掲載論文

カラー口絵
ねらい  土屋輝一郎

総 論
 消化管出血とは?  壷井章克,岡 志郎
 消化管出血の分類  小池智幸,八田和久,正宗 淳
 消化管出血の診療アルゴリズム  辻 陽介,藤城光弘

消化管出血患者の診断から治療まで
 消化管出血初療の実際  板垣秀弥
 出血性ショックの診断と治療  遠山一成,小谷穣治
 輸血の適応と手順  齋藤健貴,酒井和哉,松本雅則
 画像診断と塞栓療法  白田 剛
 内視鏡的止血術の適応と実際  井村友理,飽本哲兵,加藤元彦
 消化管出血の手術適応  川久保博文,松田 諭,北川雄光

消化管出血をきたす疾患の診断と対処法
 門脈圧亢進症に関連した消化管出血―食道・胃静脈瘤―  引地拓人,加藤恒孝,中村 純
 胃潰瘍・十二指腸潰瘍  福田 翔,飯島克則
 小腸出血  田丸智子,小黒邦彦,矢野智則
 大腸憩室出血  奈良坂俊明,小林真理子,秋山慎太郎
 炎症性腸疾患患者の出血の特徴,治療  佐上晋太郎
 出血性大腸炎  林 亮平
 放射線性腸炎,直腸潰瘍  古谷建悟,千野晶子

知っておきたいトピックス
 局所止血材  山本龍一
 鉄欠乏性貧血の診断と治療  齋藤豪志,生田克哉
 抗凝固薬マネージメント  松山太一

連載
ジェネラリストのための咽頭のみかた
 どの感染症ものどが痛い!  木股由貴
注目のデバイス
 FreeStyle リブレ® 2(グルコースモニタリングシステム)  利根淳仁
弁護士が答えます! 法律相談クリニック
 カルテの開示請求への対応は?  清水 徹

ねらい

 消化管出血はいまだ救急車出動が多い疾患であり,厚生労働省医政局地域医療計画課調べ(平成29年度実績)では救命救急センターでの年間重篤患者のなかでも心血管疾患,外傷,敗血症などに次いで多い疾患である.以前は出血性胃潰瘍・十二指腸潰瘍が非常に多く緊急内視鏡を要したが,Helicobacter pyloriの発見,除菌治療や未感染率の増加によりその頻度は減少している.その一方で,大腸憩室出血など下部消化管出血症例が増加しており,消化管出血への対応はいまだ需要が高い状況である.そのため,消化管出血リスクを事前に把握し,消化管出血を未然に防ぐことも重要である.肝硬変など門脈圧亢進患者の食道静脈瘤破裂については,定期的な内視鏡検査と静脈瘤治療にて突発的な出血を抑えることができる.つまり,かかりつけ医での診療から消化管出血リスクを評価することが非常に重要であり,適切な時点で総合病院や専門病院に精査依頼をすることが望まれる.また,消化管出血の際の状態把握,初期治療方法の選択,出血部位の把握など消化管出血患者を診療する際の知識も必要である.特に,抗凝固薬や抗菌薬の服用,大腸憩室出血の既往,放射線治療歴の有無など初療時の問診が消化管出血の部位特定や治療方針決定に大きく寄与することも留意されたい大事なポイントである.
 そのため,本特集では消化管出血をきたす主な疾患,消化管出血への対応,消化管出血治療について項目を設定させていただいた.研修医にもわかりやすく解説されており,本特集を一読することで消化管出血に関する診療の一助になれば幸いである.最後に,ご多忙のなか原稿をご執筆いただいた諸先生に感謝申し上げる.

筑波大学医学医療系消化器内科
土屋輝一郎
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