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診断と治療社 | 雑誌詳細:産科と婦人科

産科と婦人科

精選された情報満載読者各位にとって欠かすことができない情報をタイムリーに提供. 「生殖おもしろ話」・「外界事情」・「青い血のカルテ」・「産婦人科診療 私のコツ」など連載も充実.

抜群の読みやすさオール2色刷り.一目でキーポイントがわかるレイアウト.

充実したラインナップ日常診療の場で即役立つ「増刊号」を年各1冊発行.日進月歩で激変する医学界のキーワードを読み解き,読者各位の壮大な負託に応えるべく「産科と婦人科」は微力を注ぎます.

2021年 Vol.88 No.12 2021-11-18

少子化時代における就労女性の不妊治療

定価:3,190円(本体価格2,900円+税)

冊 

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掲載論文

企画 五十嵐敏雄

1.就労女性のための不妊治療と保険適用 / 浦田陽子・他
2.当事者団体からみた不妊治療と仕事の両立 / 松本亜樹子
3.就労女性の一般不妊検査・治療スケジュール / 荻野弓希子・他
4.ホルモン基礎値とAMHと不妊治療方針 / 岩瀬 明・他
5.甲状腺機能検査と不妊症 / 荒田尚子
6.排卵誘発薬の特徴と投与法の工夫 / 生水真紀夫・他
7.タイミング療法とhCGまたはGnRH投与 / 齊藤英和・他
8.精液検査・フーナーテスト・人工授精の実際 / 兼子 智・他
9.妊活開始時の不妊症男性への指導と治療 / 辻村 晃・他
10.器質性疾患:子宮筋腫・子宮内膜ポリープ・子宮内膜症・子宮腺筋症の取り扱い / 石沢千尋・他
11.PCOSの診断基準,生活指導,治療方針 / 福井淳史・他
12.不妊症患者の食事,生活指導とサプリメント / 田村博史
13.就労女性のためのARTスケジュール(低卵巣刺激) / 福田淳一郎
14.就労女性のためのARTスケジュール(調節卵巣刺激,ICSI) / 土信田雅一・他
15.一般不妊治療におけるステップアップと体外受精への切り替えのタイミング / 北島道夫
16.就労女性が妊娠できる環境づくり / 五十嵐敏雄・他

連載
若手の最新研究紹介コーナー
A novel mechanism of cancer evolution and acquired diversity of epithelial ovarian cancer in the peritoneal cosystem / 吉原雅人

症例
高齢者の陰唇癒着症に対して異なるアプローチで再癒着防止を図った2例 / 田村祐子・他
サルコイドーシスによる多発リンパ節腫大や肝腫瘤のために子宮頸がんの正確な進行期判断に苦慮した1例 / 遠矢雅人・他

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ねらい

 現在の日本は深刻な少子化にあり,政府はその対策として不妊治療の保険適用や支援拡大を検討している.不妊症に悩む女性に目を向けたのはよいが,果たしてその恩恵が不妊症に悩む女性に届き少子化が効率的かつ長期的に改善されるかどうかは疑問である.現在の日本は女性の社会進出が進み,今や生殖年齢女性のおよそ70%が働いていて,専業主婦は30%に過ぎない.大多数を占める就労女性が妊娠したくなり,気軽に不妊治療やプレコンセプションケアを受けられる状況にあってはじめて不妊治療支援が効果的になると考える.
 多くの就労女性は社会で活躍したいという気持ちと子どもが欲しいという気持ちを天秤にかけている.厚生労働省はこの問題に気づき,2017年と2020年に仕事と不妊治療を両立するための企業向け啓発リーフレットを作成した.アンケート結果によると就労女性が仕事と不妊治療を両立させようとしても両立は87%が困難と感じ,16%が不妊治療のために退職していた.時間や余裕がない,上司や仕事環境が許さない,キャリアアップ希望,産後の復帰困難などが理由である.一方,大手など9%の企業がすでに不妊治療用の休暇制度を導入していた.月に半日を4回程度,理由をいわずにオンラインで休暇を申請できる企業もあった.やがて残った社員も休暇を当たり前と思うようになり,女性の満足度は高く出産後の再雇用につながっていた.中小企業では難しいだろうが,国家として不妊治療用の休暇制度と風土づくりが望ましいという風潮をつくり,働き方改革として休暇を月に半日4回取れるキャンペーンをすれば,就労女性・企業・国家がwin—winの社会構造になって少子化の継続的な改善が望めると考える.
 病院側も就労不妊症患者を積極的に受け入れ,少ない来院回数の中でも妊娠に至るような効率的な不妊治療の提供が求められる.ここでは不妊治療の基本からクロミフェン投与の工夫や最新の甲状腺ホルモン投与まで,すべての産婦人科医が心得るべき不妊治療のコツをエキスパートに伺う.本特集号が少しでも就労カップルの子づくりに貢献することを期待してやまない.

(帝京大学ちば総合医療センター産婦人科 五十嵐敏雄)

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