株式会社 診断と治療社

診断と治療 最新号

  • わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る.
  • 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点.連載企画も充実.
  • 増刊号も毎回シャープな切り口と実臨床に役立つ内容が大好評.
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雑誌「診断と治療」2023年 Vol.111 No.2 外来通院患者に行う検査

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掲載論文

ねらい  柳元伸太郎

◆基本編
スクリーニング検査の考えかた  太田晶子
慢性疾患通院患者の長期管理のコツ  鈴木優矢,他

◆個別疾患・生活習慣編
糖尿病  比嘉盛丈,他
高血圧  加藤公則
脂質異常症  増田大作
高尿酸血症  鈴木奈都子,他
慢性腎臓病  角谷裕之,他
閉塞性睡眠時無呼吸症候群  西島嗣生,他
慢性閉塞性肺疾患  茂木 孝
骨粗鬆症  浦野友彦
関節リウマチ  浮地太郎,他
認知症  亀山祐美
肥満症  小野 啓,他
習慣的に飲酒する患者に対するスクリーニング  横山 顕
習慣的に喫煙する患者に対するスクリーニング  中村正和

◆個別検査編
腫瘍マーカー  山﨑隆弘,他
感染症のスクリーニング  小川 拓
頭部CT/MRI  篠原幸人
PET/CT検診  三須陽介,他

連 載
心電図は1枚の窓
ST上昇を指摘され受診した72歳男性  永井啓行
注目の新薬
ジェセリ®錠(ピミテスピブ)  澤木 明

ねらい

 2017年の厚生労働省の推計では外来通院中の患者数は719万人とされている.その多くは,様々な慢性疾患の治療のための定期的かつ長期の通院とみられている.一人ひとりの健康管理は,すでに罹患している疾患についても,予防的に未病の段階から対応すべき状態についても,ともに重要である.法令に基づいて実施されている勤務先や自治体による一律の健康診断は一定の割合が受診していると考えられるが,これは主に生活習慣病や一部の癌などをターゲットとした画一的なものである.一方で,様々な疾患において長期的にはそれぞれの基礎疾患ごとに合併するリスクのある疾患が存在することも知られている.具体的には,例えば,糖尿病の患者では,糖尿病は糖尿病性網膜症のように直接的な合併症が知られるほか,心筋梗塞や脳梗塞などを発症するリスクが高まっているとされている.このほか,疫学的には癌を発症する患者も多く,糖尿病自体が癌のリスクとする考えかたも可能である.通常,糖尿病患者の場合は診断のために必要な検査を受け,その後は通院しながら血糖,HbA1cなど糖尿病のコントロールに必要な検査を受けることになるが,通院が長期にわたる場合には先に述べたような合併症も念頭においた一定間隔ごとのスクリーニング検査も必要な場面もあると考えられる.
 本特集においては,日常診療の外来でしばしば遭遇する疾患について,その治療上必要な定期的な検査ではなく,むしろ,合併症として知られているもの,疫学的にリスクが高まる疾患などのスクリーニングについて,どのようなものをどのような頻度で実施することが望ましいかを整理することを目指した.様々な疾患,病態の通院患者に対して,特に原疾患に直接関連しない検査をどのように実施するのが望ましいのかについて,各分野の専門の先生方にエキスパートオピニオンやエビデンスとして通院患者管理のストラテジーについてわかりやすく執筆していただいた.
 本特集が,読者諸先生方の慢性疾患の外来診療においてさらなる充実の一助となれば幸いである.

東京大学保健・健康推進本部
柳元伸太郎
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