株式会社 診断と治療社

産科と婦人科 最新号

  • 臨床にすぐに役立つ知識や最新知見を毎号1テーマで特集.
  • エキスパートによる解説が読み応え十分!
  • 増刊号は網羅的な構成で「手元にあると便利な1冊」として毎年好評.
  • 2色刷りのビジュアルな誌面でポイントが一目でわかりやすい.

雑誌「産科と婦人科」2025年 Vol.92 No.9 もう「不定愁訴」なんて言わない!―他科に学ぶ更年期外来診療のポイント―

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掲載論文

企画 寺内公一

Ⅰ.全 身
1.易疲労感 / 三木健司

Ⅱ.循環器
2.動悸 / 甲谷友幸

Ⅲ.精神・神経
3.頭痛 / 永田栄一郎
4.うつ / 杉山暢宏・他
5.不眠 / 矢走 円・他
6.もの忘れ / 大久保卓哉

Ⅳ.運動器
7.筋力低下 / 東 浩太郎
8.関節痛 / 松本 功
9.腰痛 / 松平 浩

Ⅴ.泌尿器
10.頻尿 / 二宮典子・他

Ⅵ.皮 膚
11.発汗 / 藤本智子
12.脱毛 / 伊藤泰介

Ⅶ.感覚器
13.ドライアイ / 後藤田哲史・他
14.めまい / 角田玲子・他
15.ドライマウス・舌の痛み / 伊藤加代子・他

連 載
漢方よもやま話 第21回
苓桂朮甘湯 / 能㔟充彦

弁護士が答えます!法律にまつわるあれこれ
合併症により患者さんが損害を負っても事前に説明して同意をもらっておけば責任はないの? / 粟野公一郎

産婦人科の最前線を訪ねて 第1回
ISPOG 2025 in Seoul / 廣瀬明日香

症 例
子宮悪性腫瘍手術時に用いた血管クリップが原因で,二期的腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清術時に総腸骨静脈損傷をきたした1例 / 山口翔吾・他

ねらい

 更年期障害を構成する症状の種類は数十とも数百ともいわれる.これらは血管運動神経症状,精神神経症状,非特異的身体症状に大別されるが,それぞれの症状は相互に関連しあっており,また内分泌学的なゆらぎと多岐にわたる心理社会的ストレッサーの影響を受けて,長い病歴のなかでも様々に変化する.更年期障害の統一的な診断基準はなく,また「ゆらぐ」ことが本質である血清エストラジオールの単回測定も診断に寄与しないため,「月経が不順である40~60歳くらいの女性が,多種多様な身体精神症状を訴え,明らかな身体疾患の存在確率が現時点では低いと見積もられる場合に,“更年期障害”の診断のもとに外来で診療を行いつつ経過をみていく」というのが診療現場の実態である.難しいのは「多種多様な身体精神症状」と「存在確率が低いと見積もられる身体疾患」で,とりあえず「更年期障害」と考えて診療を行っていたが後から実は疾患Xの存在が明らかになった,という経験をお持ちの先生も,あるいはまた,その症状が更年期障害に由来するものであるかどうかはわからないが,軽度であれば専門医に紹介する前に自分で対応してみよう,と思われる先生もいらっしゃるであろう.もしかしたらそのような患者には「不定愁訴」というラベルを貼って早めに他診療科に回す,という先生もいらっしゃるかもしれない.本特集ではそのような問題意識から,更年期外来で遭遇することの多い症状を15種類採り上げ,各分野の専門家から,①症状の評価法(問診・身体所見・検査等),②鑑別診断,③プライマリ・ケアで可能な初期対応,④専門医への紹介のポイント等について,性差を念頭におきつつご解説いただいた.本特集が,いたずらに患者を抱え込むことなく,一方でせっかく意を決して来院された患者を門前払いしないような,そんな外来診療に役立てば幸いである.

(東京科学大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座 寺内公一)
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