株式会社 診断と治療社

明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム 改訂第2版 【3月26日発売予定】

腹痛や頭痛の裏に月経の問題が隠れていませんか?多くの女性が産婦人科受診を迷う今,先生の「月経で困っていませんか?」の一言が救いになります.待望の改訂第2版では最新の低用量ピルや黄体ホルモン剤,HPVワクチン情報を網羅.女性の健康を支えるための,すべての医療者が明日から使える実践ガイドです.
定価:
3,960円(本体価格 3,600円+税)

マスト&ベスト/ミニマム

発行日:
2026/03/26
ISBN:
9784787827838
頁:
224頁
判型:
A5
製本:
並製
在庫:
在庫無し

序文

改訂第2版の序 ―明日からの日常診療に「ウィメンズヘルス」を取り入れよう!

「女性ホルモンのことは関係ない」「月経のことは産婦人科へ」と思っていませんか?
実は目の前の女性のその症状は「月経や女性ホルモン」が関係している可能性があるんです.

女性の体にとって,月経やホルモンの影響は切っても切り離せません.
腹痛,貧血,頭痛,倦怠感,気分の変動などの多くの症状が,月経やホルモンの変化に関連して起こります.そして,患者自身がそのことに気づいていないことも多いのです.
日本人女性2,000人を対象にしたWeb調査では,回答者の77.6%に月経痛や月経前の症状がありましたが,実際に産婦人科を受診していたのは19.0%のみで,産婦人科の受診までに平均2.2年かかっていると報告されています*.
多くの女性が「産婦人科以外では女性特有の症状は相談できない」と思っています.
一方で,産婦人科へ受診できずに,それらを我慢している方が多いのが現状です.
ウィメンズヘルスを日常診療に取り入れるとは,必ずしも難しい専門知識を身につけることではありません.「月経で困っていることはないか」「避妊や妊娠の希望はあるか」といった一言を診療のなかに入れることが第一歩です.
こうした問いかけで,「月経や女性特有の症状についても相談できるのだ」と窓を開くことができるのです.そして,問診や診察で産婦人科の受診が必要そうだと思われたら,ぜひ,受診への後押しをお願いします.多くの女性は「こんなことで産婦人科を受診していいのだろうか」と迷っているので,先生方の一言が受診を促す大きな一押しになります.
 
改訂第2版では,新しく発売された低用量ピルや黄体ホルモン製剤を紹介し,HPVワクチンの推奨改訂について紹介しています.
ウィメンズヘルスは特別な専門領域ではなく,女性の日常生活と人生を支援するための包括的な視点です.救急診療やプライマリ・ケアにおいてウィメンズヘルスを実践する医療者が一人ずつ増えることで,日本のたくさんの女性の健康に寄与できると信じています.
*西岡笑子,ほか:働く女性の健康に関するWeb調査―女性特有症状とその対処およびがん検診受検状況 正規雇用と非正規雇用の比較―.順天堂保健看護研究 2024;12:12-23
2026年2月
淀川キリスト教病院産婦人科
柴田 綾子






初版の序―女性ホルモンとピルってむずかしい!!

この本は,プライマリ・ケア,非産婦人科医,メディカルスタッフの方に,診療現場で女性の健康を支援するお手伝いになればと思いつくりました.女性のヘルスケアやピルについて勉強を始めると,「女性ホルモンってむずかしい!!」と思う方が多いのではないでしょうか.
女性ホルモンってむずかしい!!
本当にそうです.実は産婦人科医である私自身も,「女性ホルモンってややこしい…」と毎日感じています.
でも,ちょっと待ってください.
患者である女性自身が,女性ホルモンのややこしさに1番困っているのです.そして低用量ピルやホルモン補充療法などの女性ホルモン剤を上手く使うことで女性患者さんの生活や仕事や学業のパフォーマンスが圧倒的に改善されることがあるんです.
女性の体の中では,ホルモンの大きな変化によって毎月のように月経がきます.月経に伴って月経前症候群や月経困難症が起こったり,子宮筋腫や子宮内膜症を悪化させたりしています.妊娠すると女性ホルモンが急激に増加し,受精卵の着床と妊娠を維持する働きをします.出産直後に女性ホルモンが急激に低下すると,マタニティブルーズが起こったり,周産期うつ病の要因の1つになることがあります.更年期に入り,やっと月経がなくなる閉経のときも,女性ホルモンが低下する影響でホットフラッシュや骨粗鬆症などが起こります.
このように,女性ホルモンに悩まされている患者さんはたくさんいます.
女性ホルモンってむずかしい,ややこしい.
でも,女性ホルモン剤を上手く使うことで女性の健康は大きく向上します.

この本が,皆さまの日常診療においての女性の健康支援のお手伝いができれば幸いです.
コロナが早く収束することを願いながら

2022年5月
淀川キリスト教病院産婦人科
柴田 綾子

目次

改訂第2版の序
初版の序
略語一覧

第1章 ピル
1 低用量ピルの効果と種類
 1 低用量ピルを提案するとき
 2 ピルの種類
2 低用量ピルの作用機序とメリット・デメリット
 1 作用機序
 2 メリットとデメリット
3 低用量ピルの処方のしかた
4 低用量ピルのシートの解説
 1 21錠と28錠の違い
 2 ピルのシートと飲み方の違い
5 ピルの処方時の説明フレーズ集
 1 ピルを紹介するとき
 2 低用量ピルの効果と副作用の紹介のしかた
 3 内服方法
 4 注意すべき症状
 5 情報提供
6 ピルの避妊効果と他の避妊法
 1 低用量ピルの避妊効果
 2 LEPの避妊効果
 3 ピルの飲み始めと避妊効果
 4 ピルの飲み忘れと避妊効果
 5 低用量ピルの避妊効果が低くなるとき
 6 その他の避妊法
7 低用量ピルの種類と使い分け
 1 低用量ピルの種類と特徴
 2 黄体ホルモンの種類と副作用
 3 ピルの世代と黄体ホルモンの種類
8 ピルの連続投与
 1 連続投与とは
 2 連続投与のメリット
 3 変則投与の種類
9 ピルによくあるQ&A ①飲み方
10 ピルによくあるQ&A ②禁忌と慎重投与
11 ピルによくあるQ&A ③年齢
12 副作用への対応 ①マイナートラブル
 1 低用量ピル開始時のマイナートラブル
 2 ピルのマイナートラブル
 3 不正出血への対応
13 副作用への対応 ②血栓症
 1 血栓症への対応
 2 血栓症のリスクが高くなるとき
 3 血栓症を疑う症状
 4 血栓症を疑ったときの対応
14 月経移動
 1 月経移動の問診と説明
 2 月経を早めるか遅らせるか
 3 実際の処方例
 4 月経移動のマイナートラブル
15 血栓症リスクがある場合 ①黄体ホルモン製剤
 1 血栓症リスクのある方の月経困難症治療
 2 黄体ホルモン製剤
 3 ジエノゲストの使用方法と注意点
 4 ミニピル
16 血栓症リスクがある場合 ②子宮内システム
 1 子宮内黄体ホルモン放出システム
 2 ミレーナRのメリット・デメリット
17 緊急避妊ピルの処方
 1 緊急避妊が必要な状態
 2 問診
 3 禁忌の確認
 4 飲み方の説明
 5 副作用の説明
 6 情報提供
 7 性暴力被害者の場合
 8 緊急避妊薬のオンライン診療 
 9 こんなときは産婦人科へ紹介を
18 緊急避妊ピルによくあるQ&A

第2章 月経の異常
1 月経異常へのアプローチ
 1 月経に関する問診のコツ
 2 月経異常の鑑別と初期検査
 3 受診が勧められる症状と想定される疾患
2 妊娠検査薬の使い方
 1 妊娠検査薬を施行するとき
 2 妊娠検査薬の使い方
 3 妊娠検査薬のピットフォール
3 基礎体温表の使い方
 1 基礎体温とは
 2 基礎体温の測定方法
 3 基礎体温の異常
4 腹痛に対する経腹エコー
 1 経腹エコーのしかた
 2 経腹エコーの正常と異常
5 腟鏡診と経腟エコー
 1 腟鏡診が必要になる状況
 2 内診が必要なとき
 3 腟鏡診と内診の手順と方法
 4 経腟エコーの適応と注意点
 5 経腟エコーの見え方
6 月経困難症へのアプローチ
 1 月経困難症の種類
 2 月経困難症の診断
 3 月経困難症の初期対応
 4 月経困難症の薬物治療と手術療法
7 月経前症候群へのアプローチ
 1 月経前症候群の診断
 2 月経前不快気分障害の診断基準
 3 PMS/PMDDの診断
 4 PMS/PMDDの治療
8 過多月経の治療
 1 過多月経の定義と問診
 2 過多月経の原因と検査
 3 過多月経の治療と処方例
 4 大量の性器出血への緊急対応
9 子宮筋腫の治療
 1 子宮筋腫の種類と症状
 2 子宮筋腫の検査
 3 子宮筋腫の治療
10 子宮内膜症の治療
 1 子宮内膜症の頻度と症状
 2 子宮内膜症の検査
 3 子宮内膜症の治療
11 プレコンセプションケア
 1 プレコンセプションケアとは
 2 不妊の検査と治療

第3章 HPVワクチン
1 HPVワクチンの種類
 1 日本にあるHPVワクチンの種類
2 実際のワクチン接種方法
 1 ワクチンの接種間隔
 2 ワクチンの投与方法
 3 ワクチンの投与部位
 4 筋肉注射のコツ
 5 ワクチン接種後の注意点
3 効果と副反応
 1 HPVワクチンの効果と副反応
 2 HPVワクチン接種後の多様な症状
 3 HPVワクチン接種後の症状への対応
4 定期接種・自費接種の方法
 1 定期接種と自費接種の申し込み方法
5 HPVワクチンQ&A
6 日本と世界の接種状況
 1 世界のHPVワクチン接種状況
 2 ワクチンの接種回数
 3 日本のHPVワクチン接種の状況

第4章 子宮頸がん検診
1 子宮頸がんの疫学と検診
 1 子宮頸がんの疫学
 2 子宮頸がん検診
 3 子宮頸がん検査の適応
 4 よくあるQ&A
2 内診と子宮頸がん検査の方法
 1 内診前の準備
 2 内診台での診察の大きな流れ
 3 腟鏡診(クスコ診察)の方法
 4 検体の採取方法
 5 検体の提出方法
3 子宮頸がん検査の結果と異常時の対応
 1 子宮頸がん検査の結果
 2 検査の異常時の対応
 3 子宮頸部異形成の対応
4 女性のがん検診
 1 がん検診の種類とエビデンス
 2 子宮体がん
 3 卵巣がん

第5章 更年期症状のケア
1 更年期障害の定義と診断
 1 更年期障害の定義と症状
 2 更年期障害の診断と検査
 3 更年期障害の問診
2 更年期症状へのセルフケア
 1 生活面でのアドバイス
 2 更年期障害の薬物治療
3 ホルモン補充療法(HRT)
 1 ホルモン補充療法の効果と副作用
 2 ホルモン補充療法の投与方法
 3 ホルモン補充療法のやめ時
4 更年期障害の処方例とQ&A
 1 更年期障害が軽症の場合
 2 更年期障害が中等症以上の場合
 3 ホルモン補充療法のQ&A
5 尿失禁や骨盤臓器脱の治療
 1 下部尿路症状の疫学とリスク因子
 2 下部尿路症状の診察と検査
 3 尿もれへの生活指導と治療
 4 専門家への紹介が必要なとき

索 引
著者紹介

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