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雑誌「小児科診療」2025年 Vol.88 No.8 遺伝カウンセリングを学ぼう!
- 定価:
- 4,400円(本体価格 4,000円+税)
- 在庫:
- 在庫あり
バックナンバー
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掲載論文
序文 /古庄知己
Ⅰ.遺伝カウンセリングの基本を学ぼう
遺伝カウンセリングとは /山本佳世乃
臨床遺伝専門医とは /吉橋博史
認定遺伝カウンセラーとは /西垣昌和
遺伝カウンセリングで駆使するスキル /鳥嶋雅子
小児科診療における遺伝カウンセリングの実際 /西 恵理子
家系図を正しく書こう /德富智明
Ⅱ.様々な場面での遺伝カウンセリング
Down症候群1(出生後に診断された場合) /西川智子
Down症候群2(出生前に診断または疑われた場合) /黄瀬恵美子
13トリソミー症候群(Patau症候群) /荒川経子
18トリソミー症候群 /近藤由佳・他
Turner症候群 /神谷素子
22q11.2欠失症候群 /北村千章・他
染色体構造異常 /山口 有
ゲノムコピー数異常症(マイクロアレイ染色体検査によって診断されるケース) /二川弘司
Prader-Willi症候群 /稲葉美枝
Noonan症候群 /大場大樹
先天異常症候群1(診断前,dysmorphologyを含めて) /西尾洋介・他
先天異常症候群2(診断後) /洪本加奈・他
未診断疾患 /伊藤志帆
Marfan症候群 /花房宏昭
Ehlers-Danlos症候群(古典型,血管型,関節型,筋拘縮型を中心に) /米原優香・他
骨形成不全症 /武田良淳
軟骨無形成症 /山澤一樹
神経線維腫症1型 /森川真紀・他
結節性硬化症 /田嶋佐和子
遺伝性不整脈 /石川亜貴・他
遺伝性心筋症 /稲垣夏子
先天代謝異常症 /福井香織
Fabry病 /馬場遥香・他
性分化疾患 /長崎啓祐
多発性内分泌腫瘍症 /小島朋美・他
筋強直性ジストロフィー /佐久彰子
ジストロフィン異常症 /李 知子
脊髄性筋萎縮症 /浦野真理・他
免疫不全症 /星野顕宏
遺伝性腎疾患 /森貞直哉・他
遺伝性腫瘍症候群 /田辺記子・他
がんゲノム医療 /秋山奈々
先天性難聴 /荒井康裕
胎児形態異常 /小川真紀
出生前診断(NIPT) /渡辺基子
出生前診断(着床前診断) /森山育実・他
Ⅰ.遺伝カウンセリングの基本を学ぼう
遺伝カウンセリングとは /山本佳世乃
臨床遺伝専門医とは /吉橋博史
認定遺伝カウンセラーとは /西垣昌和
遺伝カウンセリングで駆使するスキル /鳥嶋雅子
小児科診療における遺伝カウンセリングの実際 /西 恵理子
家系図を正しく書こう /德富智明
Ⅱ.様々な場面での遺伝カウンセリング
Down症候群1(出生後に診断された場合) /西川智子
Down症候群2(出生前に診断または疑われた場合) /黄瀬恵美子
13トリソミー症候群(Patau症候群) /荒川経子
18トリソミー症候群 /近藤由佳・他
Turner症候群 /神谷素子
22q11.2欠失症候群 /北村千章・他
染色体構造異常 /山口 有
ゲノムコピー数異常症(マイクロアレイ染色体検査によって診断されるケース) /二川弘司
Prader-Willi症候群 /稲葉美枝
Noonan症候群 /大場大樹
先天異常症候群1(診断前,dysmorphologyを含めて) /西尾洋介・他
先天異常症候群2(診断後) /洪本加奈・他
未診断疾患 /伊藤志帆
Marfan症候群 /花房宏昭
Ehlers-Danlos症候群(古典型,血管型,関節型,筋拘縮型を中心に) /米原優香・他
骨形成不全症 /武田良淳
軟骨無形成症 /山澤一樹
神経線維腫症1型 /森川真紀・他
結節性硬化症 /田嶋佐和子
遺伝性不整脈 /石川亜貴・他
遺伝性心筋症 /稲垣夏子
先天代謝異常症 /福井香織
Fabry病 /馬場遥香・他
性分化疾患 /長崎啓祐
多発性内分泌腫瘍症 /小島朋美・他
筋強直性ジストロフィー /佐久彰子
ジストロフィン異常症 /李 知子
脊髄性筋萎縮症 /浦野真理・他
免疫不全症 /星野顕宏
遺伝性腎疾患 /森貞直哉・他
遺伝性腫瘍症候群 /田辺記子・他
がんゲノム医療 /秋山奈々
先天性難聴 /荒井康裕
胎児形態異常 /小川真紀
出生前診断(NIPT) /渡辺基子
出生前診断(着床前診断) /森山育実・他
ねらい
古庄知己 /信州大学医学部遺伝医学教室
「遺伝カウンセリング」という言葉をご存知でしょうか.小児領域において遺伝情報・ゲノム情報を活用した医療(遺伝医療・ゲノム医療)の重要性は増しています.遺伝医療・ゲノム医療を推進していくうえで,基盤となる診療・支援が「遺伝カウンセリング」です.
小児医療における「遺伝カウンセリング」は,従来Down症候群など遺伝性・先天性疾患の診断告知に始まる疾患受容に際して行われてきました.こうした古典的な役割に加え,近年では遺伝情報・ゲノム情報の活用における支援プロセスとしての役割が多くなっています.
遺伝性・先天性疾患が疑われるお子さんを診断するために遺伝学的検査が行われる場合,結果説明に際して行われる「遺伝カウンセリング」は保険収載されており,遺伝カウンセリング加算を取ることができます.遺伝性疾患の血縁者の発症前診断には,遺伝性循環器疾患や結合組織疾患のように,早期にわかることで効果的な定期検診や先制治療につなげられる場合もあれば,治療法がない遺伝性神経変性疾患などでは人生設計のために希望される場合もあります.出生前診断には,妊娠の継続を検討するための早期診断(非確定検査,確定検査)もあれば,おなかの赤ちゃんへのよりよい医療のために妊娠後半に行われる診断もあります.こうした場面での「遺伝カウンセリング」は,通常自由診療(非保険)で行われています.がんゲノム医療においても,時に発見される遺伝性腫瘍症候群への対応は重要であるため,遺伝性腫瘍カウンセリング加算を取ることができます.こうした「遺伝カウンセリング」は,おもに臨床遺伝専門医および非医師の専門職である認定遺伝カウンセラーにより行われています.
そこで今回,特集「遺伝カウンセリングを学ぼう!」を企画いたしました.総論では,「遺伝カウンセリング」とはどのような診療・支援なのか,臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーはどのような職種なのか,小児科の先生方はどのような段階からこうした遺伝専門職に託せばよいのかが示されています.各論では,代表的な遺伝性・先天性疾患の「遺伝カウンセリング」において大切にしている姿勢や考え方が示されています.現場で活躍されている小児科をバックグラウンドとしている臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーの方々に執筆していただきました.筆者が理事長をつとめる日本小児遺伝学会では,昨年から「遺伝カウンセリング推進委員会」を立ち上げました.全国の小児病院で活躍する認定遺伝カウンセラーの方々が集結し,小児医療における「遺伝カウンセリング」のさらなる発展に向け活動を展開しています.そして,「遺伝カウンセリング」マインドは,臨床遺伝を専門としない小児科の先生方が遺伝性・先天性疾患のあるお子さんを診療しご家族を支援する場合にも,また,遺伝性・先天性疾患に限らず慢性疾患のあるお子さんを診療する場合にも役立つのではないかと思われ,広く手に取ってお読みいただくことを期待しています.
本企画にご賛同いただいた小児科診療編集委員会の先生方,また大変お忙しいなか,本特集に情熱たっぷりにご寄稿いただいたすべての執筆者の方々に心より感謝申し上げます.
「遺伝カウンセリング」という言葉をご存知でしょうか.小児領域において遺伝情報・ゲノム情報を活用した医療(遺伝医療・ゲノム医療)の重要性は増しています.遺伝医療・ゲノム医療を推進していくうえで,基盤となる診療・支援が「遺伝カウンセリング」です.
小児医療における「遺伝カウンセリング」は,従来Down症候群など遺伝性・先天性疾患の診断告知に始まる疾患受容に際して行われてきました.こうした古典的な役割に加え,近年では遺伝情報・ゲノム情報の活用における支援プロセスとしての役割が多くなっています.
遺伝性・先天性疾患が疑われるお子さんを診断するために遺伝学的検査が行われる場合,結果説明に際して行われる「遺伝カウンセリング」は保険収載されており,遺伝カウンセリング加算を取ることができます.遺伝性疾患の血縁者の発症前診断には,遺伝性循環器疾患や結合組織疾患のように,早期にわかることで効果的な定期検診や先制治療につなげられる場合もあれば,治療法がない遺伝性神経変性疾患などでは人生設計のために希望される場合もあります.出生前診断には,妊娠の継続を検討するための早期診断(非確定検査,確定検査)もあれば,おなかの赤ちゃんへのよりよい医療のために妊娠後半に行われる診断もあります.こうした場面での「遺伝カウンセリング」は,通常自由診療(非保険)で行われています.がんゲノム医療においても,時に発見される遺伝性腫瘍症候群への対応は重要であるため,遺伝性腫瘍カウンセリング加算を取ることができます.こうした「遺伝カウンセリング」は,おもに臨床遺伝専門医および非医師の専門職である認定遺伝カウンセラーにより行われています.
そこで今回,特集「遺伝カウンセリングを学ぼう!」を企画いたしました.総論では,「遺伝カウンセリング」とはどのような診療・支援なのか,臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーはどのような職種なのか,小児科の先生方はどのような段階からこうした遺伝専門職に託せばよいのかが示されています.各論では,代表的な遺伝性・先天性疾患の「遺伝カウンセリング」において大切にしている姿勢や考え方が示されています.現場で活躍されている小児科をバックグラウンドとしている臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーの方々に執筆していただきました.筆者が理事長をつとめる日本小児遺伝学会では,昨年から「遺伝カウンセリング推進委員会」を立ち上げました.全国の小児病院で活躍する認定遺伝カウンセラーの方々が集結し,小児医療における「遺伝カウンセリング」のさらなる発展に向け活動を展開しています.そして,「遺伝カウンセリング」マインドは,臨床遺伝を専門としない小児科の先生方が遺伝性・先天性疾患のあるお子さんを診療しご家族を支援する場合にも,また,遺伝性・先天性疾患に限らず慢性疾患のあるお子さんを診療する場合にも役立つのではないかと思われ,広く手に取ってお読みいただくことを期待しています.
本企画にご賛同いただいた小児科診療編集委員会の先生方,また大変お忙しいなか,本特集に情熱たっぷりにご寄稿いただいたすべての執筆者の方々に心より感謝申し上げます.