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雑誌「小児科診療」2025年 Vol.88 No.9 小児血管炎診療の基礎と臨床-IgA血管炎や川崎病だけではない多様な全身性疾患群-
- 定価:
- 3,300円(本体価格 3,000円+税)
- 在庫:
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バックナンバー
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掲載論文
序 文 /神田祥一郎
Ⅰ.血管炎の分類と病理
血管炎とは /田村直人
血管炎の病理組織 /髙橋 啓・他
コラム:血管炎研究の面白さ /針谷正祥
Ⅱ.血管炎診療のコツと進歩
血管炎診療のコツ /宮前多佳子
小児血管炎の治療の考えかたと最新知見 /伊藤秀一
Ⅲ.各血管炎の病態と診療
高安動脈炎,巨細胞性動脈炎 /岩田直美
川崎病―病因と病態― /尾内善広
川崎病における予後予測モデル /小林 徹
川崎病―診療の最前線― /濱田洋通
結節性多発動脈炎 /中野直子
コラム:川崎病の研究の歴史と未来 /鮎澤 衛
IgA血管炎―病態と診療― /清水正樹
IgA血管炎―紫斑病性腎炎(IgA血管炎関連腎炎)の診療― /滝澤慶一
ANCA関連血管炎 /三浦健一郎
コラム:日本における小児ANCA関連腎炎の診療 /服部元史
Behcet病 /森 雅亮
皮膚白血球破砕性血管炎と皮膚動脈炎 /川上民裕
ループス血管炎 /小椋雅夫
薬剤関連ANCA関連血管炎 /長尾佳樹・他
血管炎と遺伝的背景 /神田祥一郎
原 著
コロナウイルス感染症2019パンデミック前後でのRSウイルス感染症入院症例の比較検討 /石川暢恒・他
Ⅰ.血管炎の分類と病理
血管炎とは /田村直人
血管炎の病理組織 /髙橋 啓・他
コラム:血管炎研究の面白さ /針谷正祥
Ⅱ.血管炎診療のコツと進歩
血管炎診療のコツ /宮前多佳子
小児血管炎の治療の考えかたと最新知見 /伊藤秀一
Ⅲ.各血管炎の病態と診療
高安動脈炎,巨細胞性動脈炎 /岩田直美
川崎病―病因と病態― /尾内善広
川崎病における予後予測モデル /小林 徹
川崎病―診療の最前線― /濱田洋通
結節性多発動脈炎 /中野直子
コラム:川崎病の研究の歴史と未来 /鮎澤 衛
IgA血管炎―病態と診療― /清水正樹
IgA血管炎―紫斑病性腎炎(IgA血管炎関連腎炎)の診療― /滝澤慶一
ANCA関連血管炎 /三浦健一郎
コラム:日本における小児ANCA関連腎炎の診療 /服部元史
Behcet病 /森 雅亮
皮膚白血球破砕性血管炎と皮膚動脈炎 /川上民裕
ループス血管炎 /小椋雅夫
薬剤関連ANCA関連血管炎 /長尾佳樹・他
血管炎と遺伝的背景 /神田祥一郎
原 著
コロナウイルス感染症2019パンデミック前後でのRSウイルス感染症入院症例の比較検討 /石川暢恒・他
ねらい
神田祥一郎 /東京大学医学部小児科
今回,『小児科診療』では「小児血管炎診療の基礎と臨床」と題し,小児における血管炎に焦点をあてた特集を企画しました.血管炎は,全身に分布する血管に炎症が生じることから,様々な臓器に多彩な症状を呈します.また,血管には大・中・小という太さによる違いや,動脈と静脈の違いなど,多様な種類があるため,病態は一層複雑で,診断と治療には高度な知識と経験が求められます.各臓器に特徴的な症状を呈するのでそれらを頭に入れておくことは重要です.
小児科領域では,川崎病やIgA血管炎(旧称:アレルギー性紫斑病,Henoch-Schönlein紫斑病)が比較的身近な存在ですが,実はそれだけではありません.学生時代にChepel Hill分類を学ばれた方も多いと思いますが,小児にも多様な血管炎が存在し,それぞれに応じた診療の工夫が求められます.
日本では1970年代から血管炎に対する研究班が組織され,全国的な調査・研究を通じて診断や治療法の整備が進められてきました.現在は厚生労働省の難治性疾患政策研究事業として位置づけられている「難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究班」が,指定難病に分類される血管炎疾患を中心に,オールジャパン体制で医療水準の向上と疾患啓発に取り組んでいます.本特集ではこれまで研究班に携わられた多くの先生方にもご執筆いただきました.
本研究班には2017年より小児科医も参加し,当時の班長であった針谷正祥先生のもと,小児血管炎に対する取り組みが本格化しました.現在は田村直人先生が中心となり,多くの科が連携して,様々な血管炎に対する診療・研究が推進されています.研究班では,各疾患の診断基準や重症度分類,診療ガイドラインの作成なども行われ,日常診療に直結する成果が数多く生まれています.
本特集は,小児血管炎に特化した非常に貴重な企画です.希少疾患であるがゆえに診療の機会が限られる一方で,遺伝子解析や生物学的製剤の導入,国際的な診療基準の整備など,めざましい進歩が続いています.だからこそ,まず「血管炎かもしれない」と疑い,気づくことが診療の第一歩です.
本特集が,小児血管炎にかかわる医師にとって実践的な知識と診療のヒントを提供する決定版(2025年度)となることを願っています.
今回,『小児科診療』では「小児血管炎診療の基礎と臨床」と題し,小児における血管炎に焦点をあてた特集を企画しました.血管炎は,全身に分布する血管に炎症が生じることから,様々な臓器に多彩な症状を呈します.また,血管には大・中・小という太さによる違いや,動脈と静脈の違いなど,多様な種類があるため,病態は一層複雑で,診断と治療には高度な知識と経験が求められます.各臓器に特徴的な症状を呈するのでそれらを頭に入れておくことは重要です.
小児科領域では,川崎病やIgA血管炎(旧称:アレルギー性紫斑病,Henoch-Schönlein紫斑病)が比較的身近な存在ですが,実はそれだけではありません.学生時代にChepel Hill分類を学ばれた方も多いと思いますが,小児にも多様な血管炎が存在し,それぞれに応じた診療の工夫が求められます.
日本では1970年代から血管炎に対する研究班が組織され,全国的な調査・研究を通じて診断や治療法の整備が進められてきました.現在は厚生労働省の難治性疾患政策研究事業として位置づけられている「難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究班」が,指定難病に分類される血管炎疾患を中心に,オールジャパン体制で医療水準の向上と疾患啓発に取り組んでいます.本特集ではこれまで研究班に携わられた多くの先生方にもご執筆いただきました.
本研究班には2017年より小児科医も参加し,当時の班長であった針谷正祥先生のもと,小児血管炎に対する取り組みが本格化しました.現在は田村直人先生が中心となり,多くの科が連携して,様々な血管炎に対する診療・研究が推進されています.研究班では,各疾患の診断基準や重症度分類,診療ガイドラインの作成なども行われ,日常診療に直結する成果が数多く生まれています.
本特集は,小児血管炎に特化した非常に貴重な企画です.希少疾患であるがゆえに診療の機会が限られる一方で,遺伝子解析や生物学的製剤の導入,国際的な診療基準の整備など,めざましい進歩が続いています.だからこそ,まず「血管炎かもしれない」と疑い,気づくことが診療の第一歩です.
本特集が,小児血管炎にかかわる医師にとって実践的な知識と診療のヒントを提供する決定版(2025年度)となることを願っています.