- 1935年創刊!最新の情報からベーシックな知識までわかりやすくお届けします!
- 読者の要望にお応えすべくup-to-dateな特集を提供.
- 本文へ読み進めやすいレイアウト.
- 「増刊号」を年2冊、「特大号」を年1冊発行.読者の厚い信頼に応える内容で日常診療に不可欠な情報満載.
雑誌「小児科診療」2025年 Vol.88 No.11 気管支喘息とその周辺 Up to Date
- 定価:
- 3,300円(本体価格 3,000円+税)
- 在庫:
- 在庫あり
バックナンバー
バックナンバー 一覧当社発行の雑誌は論文単位でPDFファイルのダウンロード購入が可能です.
詳細はメディカルオンライン,医書.JP Pay Per View サービスをご確認ください.
掲載論文
序 文 /高増哲也
Ⅰ.気管支喘息の病態と治療
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023について /滝沢琢己
急性期治療 /田中ふみ・他
集中治療 /和田 翔・他
小児気管支喘息の長期管理薬:吸入ステロイド薬を中心に /長尾みづほ
生物学的製剤の使用法・注意点 /手塚純一郎
アレルゲン免疫療法と気管支喘息 /小林茂俊
発症予防 /成田雅美
内科からみた喘息の移行期治療 /趙 健助・他
Ⅱ.周辺疾患
喘鳴の鑑別疾患 /錦戸知喜
急性細気管支炎 /長澤耕男
気管支喘息とアレルギー性鼻炎,副鼻腔炎 /西本 創
胃食道逆流症 /吉田之範
アトピー咳嗽 /大倉徳幸
誘発性喉頭閉塞症 /山本貴和子・他
心因性咳嗽 /増田佐和子
そもそも気管支喘息とは何者なのか /高増哲也
Ⅲ.多職種による生活指導の実際
生活指導 /田阪祐子
学校における対応 /菅野訓子・他
サマーキャンプ /宮本 学
吸入指導 /松下一樹
薬剤師との連携 /駒瀬裕子・他
薬物療法における費用対効果の視点 /巽 道代
Ⅰ.気管支喘息の病態と治療
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023について /滝沢琢己
急性期治療 /田中ふみ・他
集中治療 /和田 翔・他
小児気管支喘息の長期管理薬:吸入ステロイド薬を中心に /長尾みづほ
生物学的製剤の使用法・注意点 /手塚純一郎
アレルゲン免疫療法と気管支喘息 /小林茂俊
発症予防 /成田雅美
内科からみた喘息の移行期治療 /趙 健助・他
Ⅱ.周辺疾患
喘鳴の鑑別疾患 /錦戸知喜
急性細気管支炎 /長澤耕男
気管支喘息とアレルギー性鼻炎,副鼻腔炎 /西本 創
胃食道逆流症 /吉田之範
アトピー咳嗽 /大倉徳幸
誘発性喉頭閉塞症 /山本貴和子・他
心因性咳嗽 /増田佐和子
そもそも気管支喘息とは何者なのか /高増哲也
Ⅲ.多職種による生活指導の実際
生活指導 /田阪祐子
学校における対応 /菅野訓子・他
サマーキャンプ /宮本 学
吸入指導 /松下一樹
薬剤師との連携 /駒瀬裕子・他
薬物療法における費用対効果の視点 /巽 道代
ねらい
高増哲也 /神奈川県立こども医療センター地域保健推進部
気管支喘息は30年前には小児疾患のなかでも入院患者数が多く,死因のワースト10に入る疾患であったが,近年では死亡はきわめて珍しくなり,入院する患者数もかなり減少している.これは吸入ステロイド薬をはじめとする気管支喘息の予防治療の進歩のみならず,感染症の予防,環境の変化も関連していると考えられる.しかしながら今でも小児分野のコモンな疾患の代表であることには変わりなく,小児と家族のQOLに大きな影響を及ぼしている疾患である.
本特集では,Ⅰとしてまず,気管支喘息についての基本を把握するために,『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023』について解説していただいた.治療法としては急性期治療,そのなかでも集中治療,長期管理薬,また近年重症患者への治療の選択肢として広がりつつある生物学的製剤について,紹介していただいた.気管支喘息をアレルギー疾患と捉えるならば,アレルゲン免疫療法が根本的な治療法となり得ると考えられるが,実際にはどこまでわかっているのか,また発症予防としては何があり得るのか,現在までの到達点を解説いただいた.また気管支喘息は小児期だけの問題ではなく,成人への移行についても見据える必要があり,内科からみた移行期医療についても紹介いただいた.
次にⅡでは,気管支喘息と鑑別が必要となる周辺疾患について,疾患ごとに解説いただいた.最初に症状として喘鳴をみとめたときに,どのように鑑別診断をしていく必要があるのか,さらに鑑別を要する疾患として,急性細気管支炎,慢性副鼻腔炎,胃食道逆流症といった,頻度が高いものの見逃されがちな病態について紹介していただいた.アトピー咳嗽は小児科ではあまり取り上げられていないものの,気管支喘息の鑑別疾患となり得る.誘発性喉頭閉塞症,心因性咳嗽についても鑑別疾患としておさえておきたい.これら周辺疾患の気管支喘息との相違点を把握したうえで,そもそも気管支喘息とは何者なのか,様々な病態の理解が進むなかで本態となるものは何か,考察してみた.
そしてⅢでは,多職種による生活指導等の取り組みについて紹介していただいた.看護師による生活指導,学校における対応,多職種が協力して運営しているサマーキャンプ,薬剤師による吸入指導,そして医師による薬剤師との連携の動きについて紹介し,最後に薬剤師から,薬物療法における費用対効果の視点として,フォーミュラリー,ポリファーマシーを紹介しつつ解説いただいた.
気管支喘息の日常診療に大いに役立てていただければと思う.
気管支喘息は30年前には小児疾患のなかでも入院患者数が多く,死因のワースト10に入る疾患であったが,近年では死亡はきわめて珍しくなり,入院する患者数もかなり減少している.これは吸入ステロイド薬をはじめとする気管支喘息の予防治療の進歩のみならず,感染症の予防,環境の変化も関連していると考えられる.しかしながら今でも小児分野のコモンな疾患の代表であることには変わりなく,小児と家族のQOLに大きな影響を及ぼしている疾患である.
本特集では,Ⅰとしてまず,気管支喘息についての基本を把握するために,『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023』について解説していただいた.治療法としては急性期治療,そのなかでも集中治療,長期管理薬,また近年重症患者への治療の選択肢として広がりつつある生物学的製剤について,紹介していただいた.気管支喘息をアレルギー疾患と捉えるならば,アレルゲン免疫療法が根本的な治療法となり得ると考えられるが,実際にはどこまでわかっているのか,また発症予防としては何があり得るのか,現在までの到達点を解説いただいた.また気管支喘息は小児期だけの問題ではなく,成人への移行についても見据える必要があり,内科からみた移行期医療についても紹介いただいた.
次にⅡでは,気管支喘息と鑑別が必要となる周辺疾患について,疾患ごとに解説いただいた.最初に症状として喘鳴をみとめたときに,どのように鑑別診断をしていく必要があるのか,さらに鑑別を要する疾患として,急性細気管支炎,慢性副鼻腔炎,胃食道逆流症といった,頻度が高いものの見逃されがちな病態について紹介していただいた.アトピー咳嗽は小児科ではあまり取り上げられていないものの,気管支喘息の鑑別疾患となり得る.誘発性喉頭閉塞症,心因性咳嗽についても鑑別疾患としておさえておきたい.これら周辺疾患の気管支喘息との相違点を把握したうえで,そもそも気管支喘息とは何者なのか,様々な病態の理解が進むなかで本態となるものは何か,考察してみた.
そしてⅢでは,多職種による生活指導等の取り組みについて紹介していただいた.看護師による生活指導,学校における対応,多職種が協力して運営しているサマーキャンプ,薬剤師による吸入指導,そして医師による薬剤師との連携の動きについて紹介し,最後に薬剤師から,薬物療法における費用対効果の視点として,フォーミュラリー,ポリファーマシーを紹介しつつ解説いただいた.
気管支喘息の日常診療に大いに役立てていただければと思う.