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雑誌「小児科診療」2026年 Vol.89 No.4 子どもの便秘症~これでスッキリ解決!
- 定価:
- 3,300円(本体価格 3,000円+税)
- 在庫:
- 在庫あり
バックナンバー
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掲載論文
序 文 工藤孝広
Ⅰ.小児の便秘症とは
便秘症とは /松藤 凡
便秘症における鑑別診断のフローチャート /中山佳子
便秘症をきたす器質的疾患 /平林 健
Ⅱ.機能性便秘症の概要
定義,分類,診断基準,疫学 /工藤孝広
便秘症の病態生理:小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン2025年版の概説 /伊藤拓郎・他
Ⅲ.機能性便秘症の診断,治療
機能性便秘症の診断 /加治 建
治療総論と便塞栓除去 /岩間 達
維持療法:非薬物療法 /細井賢二
維持療法:排便指導~便秘症の子どもの“スッキリ”を感じる排便習慣を整える /鈴木千琴
維持療法:薬物療法 /柳 忠宏
機能性便秘症に対する外科治療 /春松敏夫・他
Ⅳ.様々な状況における機能性便秘症
乳幼児 /羽鳥麗子
重症心身障害児 /平井みさ子
神経発達症児 /篠崎浩平・他
症例報告
胎児乳び胸水を合併した環状13番染色体症候群の1例 /黒川安裕・他
Ⅰ.小児の便秘症とは
便秘症とは /松藤 凡
便秘症における鑑別診断のフローチャート /中山佳子
便秘症をきたす器質的疾患 /平林 健
Ⅱ.機能性便秘症の概要
定義,分類,診断基準,疫学 /工藤孝広
便秘症の病態生理:小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン2025年版の概説 /伊藤拓郎・他
Ⅲ.機能性便秘症の診断,治療
機能性便秘症の診断 /加治 建
治療総論と便塞栓除去 /岩間 達
維持療法:非薬物療法 /細井賢二
維持療法:排便指導~便秘症の子どもの“スッキリ”を感じる排便習慣を整える /鈴木千琴
維持療法:薬物療法 /柳 忠宏
機能性便秘症に対する外科治療 /春松敏夫・他
Ⅳ.様々な状況における機能性便秘症
乳幼児 /羽鳥麗子
重症心身障害児 /平井みさ子
神経発達症児 /篠崎浩平・他
症例報告
胎児乳び胸水を合併した環状13番染色体症候群の1例 /黒川安裕・他
ねらい
工藤孝広 /順天堂大学医学部小児科学講座
小児の便秘症は,日常診療の場できわめて頻繁に遭遇する症状でありながら,実臨床では診断に迷う場面や治療に難渋する場面が少なくありません.特に乳幼児や学童では,排便に関する訴えが言語化されにくいことも多く,保護者の気づきが遅れることで慢性化し,生活の質や成長発達に影響を及ぼすケースが散見されます.便秘症は一見すると軽症に思われがちですが,その背景に器質的疾患が隠れていることもあり,医療者には正確な鑑別と適切な治療戦略が求められます.
これまでわが国では,浣腸や刺激性下剤を中心とした対応が長く主流であった一方,近年になりポリエチレングリコール(PEG)製剤をはじめとする新たな治療薬が使用可能となり,国際的な標準に沿った治療体系を構築できる環境が整いつつあります.しかし,新しい薬剤の位置づけや使い分け,用量設定,治療継続の判断などについては,必ずしもコンセンサスが得られているとはいえず,医師間・施設間で治療アプローチにばらつきが存在するのが現状です.また,便秘症の評価に用いられてきた分類・診断基準も改訂が進み,Rome ⅣからRome Ⅴへと国際基準が更新されるタイミングにあり,小児科医として最新の知識を整理し直す必要性が高まっています.
加えて,近年は腸内細菌叢と便秘症の関連,心理社会的要因の影響,過敏性腸症候群との鑑別,機能性便秘症に対する生活指導の重要性など,エビデンスに基づく理解が急速に広がっています.小児の便秘症は単に排便回数の問題ではなく,食事内容,水分摂取,活動量,排便姿勢,トイレ環境など,多因子的な要因が複雑に絡み合う疾患であり,包括的な視点でのアプローチが求められます.その一方,重症例や難治例では外科治療を考慮すべき状況もあり,小児外科との連携や専門施設での評価の重要性も増しています.日常診療での対応から専門治療まで,一連の診療フローをどのように整理し,どの段階で専門医に紹介するかといった点も,改めて共有すべき課題です.
本特集では,小児の便秘症について基礎から実践まで幅広く取り上げ,最新の診断・治療のポイントを整理するとともに,様々な年齢や状況における対応,外科治療を含めた専門的視点までを網羅することを目指しました.各領域の第一線で活躍されている先生方にご執筆いただき,小児の便秘症診療において日常的に遭遇する疑問や難しい症例に対して,すぐに役立つ知識と実践的なアプローチが詰まった内容となっています.
小児の便秘症の診療は,早期介入により症状の慢性化を防ぎ,良好な成長発達を支えるうえできわめて重要です.本特集を通じて,明日からの診療に自信をもって活かせる知識を得ていただき,さらに地域や施設を越えて小児の便秘症診療の質が向上することを期待しております.
最後に,今回の特集号が充実した内容になりましたのは,多大な時間を費してご執筆いただいた多くの小児消化器疾患専門医の先生方からのご協力の賜物でございます.心より感謝申し上げます.
小児の便秘症は,日常診療の場できわめて頻繁に遭遇する症状でありながら,実臨床では診断に迷う場面や治療に難渋する場面が少なくありません.特に乳幼児や学童では,排便に関する訴えが言語化されにくいことも多く,保護者の気づきが遅れることで慢性化し,生活の質や成長発達に影響を及ぼすケースが散見されます.便秘症は一見すると軽症に思われがちですが,その背景に器質的疾患が隠れていることもあり,医療者には正確な鑑別と適切な治療戦略が求められます.
これまでわが国では,浣腸や刺激性下剤を中心とした対応が長く主流であった一方,近年になりポリエチレングリコール(PEG)製剤をはじめとする新たな治療薬が使用可能となり,国際的な標準に沿った治療体系を構築できる環境が整いつつあります.しかし,新しい薬剤の位置づけや使い分け,用量設定,治療継続の判断などについては,必ずしもコンセンサスが得られているとはいえず,医師間・施設間で治療アプローチにばらつきが存在するのが現状です.また,便秘症の評価に用いられてきた分類・診断基準も改訂が進み,Rome ⅣからRome Ⅴへと国際基準が更新されるタイミングにあり,小児科医として最新の知識を整理し直す必要性が高まっています.
加えて,近年は腸内細菌叢と便秘症の関連,心理社会的要因の影響,過敏性腸症候群との鑑別,機能性便秘症に対する生活指導の重要性など,エビデンスに基づく理解が急速に広がっています.小児の便秘症は単に排便回数の問題ではなく,食事内容,水分摂取,活動量,排便姿勢,トイレ環境など,多因子的な要因が複雑に絡み合う疾患であり,包括的な視点でのアプローチが求められます.その一方,重症例や難治例では外科治療を考慮すべき状況もあり,小児外科との連携や専門施設での評価の重要性も増しています.日常診療での対応から専門治療まで,一連の診療フローをどのように整理し,どの段階で専門医に紹介するかといった点も,改めて共有すべき課題です.
本特集では,小児の便秘症について基礎から実践まで幅広く取り上げ,最新の診断・治療のポイントを整理するとともに,様々な年齢や状況における対応,外科治療を含めた専門的視点までを網羅することを目指しました.各領域の第一線で活躍されている先生方にご執筆いただき,小児の便秘症診療において日常的に遭遇する疑問や難しい症例に対して,すぐに役立つ知識と実践的なアプローチが詰まった内容となっています.
小児の便秘症の診療は,早期介入により症状の慢性化を防ぎ,良好な成長発達を支えるうえできわめて重要です.本特集を通じて,明日からの診療に自信をもって活かせる知識を得ていただき,さらに地域や施設を越えて小児の便秘症診療の質が向上することを期待しております.
最後に,今回の特集号が充実した内容になりましたのは,多大な時間を費してご執筆いただいた多くの小児消化器疾患専門医の先生方からのご協力の賜物でございます.心より感謝申し上げます.