株式会社 診断と治療社

小児科診療 最新号

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雑誌「小児科診療」2026年 Vol.89 No.7 日本が解き明かした病気-疾患概念の確立から現在まで-

定価:
3,300円(本体価格 3,000円+税)
在庫:
在庫無し

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掲載論文

序 文  金兼弘和

Ⅰ.日本人が原因を明らかにした病気
福山型筋ジストロフィー  /齋藤加代子
瀬川病  /星野恭子
大田原症候群  /加藤光広
武内・小崎症候群  /武内俊樹
鏡・緒方症候群  /鏡 雅代
筋拘縮型(古庄型)Ehlers-Danlos症候群  /古庄知己
MIRAGE症候群  /鳴海覚志

Ⅱ.日本人が見つけた病気
川崎病  /松原知代
高安動脈炎  /谷内江昭宏
橋本病  /長崎啓祐
菊池病(組織球性壊死性リンパ節炎)  /清水正樹
福原病(MERRF)  /三牧正和
垂井病(糖原病Ⅶ型)  /酒井規夫
Chédiak-Higashi症候群  /笹原洋二
新川-黒木症候群(歌舞伎症候群)  /黒澤健司

番外編.「日本」の名前がついている病気
日本脳炎  /中野貴司
日本住血吸虫症  /保科隆之

原 著
当院から在宅移行した18トリソミー8症例の在宅呼吸管理の工夫について  /岩本真太郎・他
精巣捻転症における乳幼児期発症例と思春期発症例での臨床像および精巣救済率の違い  /岡部 悟・他

症例報告
父の発作性運動誘発性ジスキネジア既往から自然終息性乳児けいれんを疑いPRRT2遺伝子バリアントをみとめた症例  /葉山翔梧・他

ねらい

 多くの病気,特に症候群とよばれるものにはまれに患者の名前がついたものもあるが,発見者の名前がついたものが少なくない.これまで多くの日本人が新たに病気を見つけて,その名前が病名に残っている.川崎病は1960年代に日本赤十字社中央病院(当時)小児科に勤務していた川崎富作が見つけたものである.その臨床的特徴から一時期は小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群とよばれることも多かったが,世界的にみれば川崎病のほうが通用しており,現在では川崎病とよばれることがほとんどである.日本だけでなく世界からも川崎病が報告され,日本からの報告数が最も多いにもかかわらず,その原因は60年以上たった今も不明である.日本人がその原因を明らかにすべき病気の1つである.福山型筋ジストロフィーも1960年に福山幸夫によって報告された,きわめて予後不良な先天性筋ジストロフィーの1つである.1993年に戸田達史らによって,その原因遺伝子fukutinが同定され,日本発の新規治療の開発も進んでいる.
 本特集では日本人が原因を明らかにした病気として前述の福山型筋ジストロフィーのほかに瀬川病,大田原症候群,武内・小崎症候群,鏡・緒方症候群,筋拘縮型(古庄型)Ehlers—Danlos症候群,MIRAGE症候群を取り上げ,これらの病気の発見者あるいはその発見を身近にみていた小児科医に病気の発見の歴史から現在に至るまでダイナミックな解説をしていただき,それぞれ心躍る総説となっている.
 また日本人が見つけた病気として川崎病のほか,高安動脈炎,橋本病,菊池病,福原病,垂井病,Chédiak-Higashi症候群,新川—黒木症候群(歌舞伎症候群)の歴史と最新の診断・治療についてそれぞれの疾患の第一人者に解説していただいた.何気なく病気をみるのではなく,その名前に思いを寄せて診療にあたってもらいたい.
 番外編として「日本」の名前がついている日本脳炎と日本住血吸虫症についても解説していただいた.今では日本に多い病気ではないが,いまだに「日本」の名前が残されていることを誇りにも思う.
 これらの病気以外にも多くの病気が日本人によって発見されている.今回は一部の病気しか取り上げていないが,その発見の歴史を知ることによって,多くはすでに故人となってしまったが,先人たちの熱意と努力に敬意を払いたい.本特集号を通じて,原因究明のためにわれわれ日本人,特に若い小児科医が今後何をなすべきか学ぶ機会となることを願っている.
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