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雑誌「小児科診療」2026年 Vol.89 No.11 小児の感染対策~今と昔,かわるものとかわらないもの~
- 定価:
- 3,300円(本体価格 3,000円+税)
- 在庫:
- 在庫あり
バックナンバー
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掲載論文
序 文 /石毛美夏
Ⅰ.総論:感染対策の基本を学ぼう!
小児における感染対策の基本 /伊藤嘉規
標準予防策(standard precautions)とは /鈴木由美
ポストコロナにおける感染対策 /堀越裕歩
Ⅱ.実践編:いつ・どこで・どうする?
臨床現場での対策を身につける一般外来:外来で子どもと保護者をどう迎えるか /相葉裕幸・他
救急外来・夜間外来 /谷口清州
病棟:小児入院患者における感染対策 /村井健美
検査・処置 /久田 研
新生児集中治療室:特に早産児に対する感染対策 /森岡一朗
免疫不全・慢性疾患に対する感染対策 /森 雅亮
咳・鼻水・くしゃみがある患児への対応 /西村光司
嘔吐・下痢がある患児への対応 /新庄正宜
予防接種で防ぐ病気 /中野貴司
小児の薬剤耐性菌に対する感染対策 /宮入 烈
Ⅲ.みんなで取り組む感染対策
小児科若手医師・専攻医が身につけたい感染対策の基本姿勢とトレーニング /西屋克己
家庭や学校での取り組み /菱木はるか
病院全体での取り組み /星野 直
原 著
体位性頻脈症候群(POTS)と登校状況に着目した起立性調節障害の経過 /甲賀健史・他
症例報告
両側同時期に発症した大腿骨急性骨髄炎 /藤川真之介・他
「よく眠る」という主訴から診断に至った急性散在性脳脊髄炎の2例 /芹澤龍太郎・他
アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用療法によりインスリン必要量が増加した1型糖尿病の1例 /橋本 悟・他
Ⅰ.総論:感染対策の基本を学ぼう!
小児における感染対策の基本 /伊藤嘉規
標準予防策(standard precautions)とは /鈴木由美
ポストコロナにおける感染対策 /堀越裕歩
Ⅱ.実践編:いつ・どこで・どうする?
臨床現場での対策を身につける一般外来:外来で子どもと保護者をどう迎えるか /相葉裕幸・他
救急外来・夜間外来 /谷口清州
病棟:小児入院患者における感染対策 /村井健美
検査・処置 /久田 研
新生児集中治療室:特に早産児に対する感染対策 /森岡一朗
免疫不全・慢性疾患に対する感染対策 /森 雅亮
咳・鼻水・くしゃみがある患児への対応 /西村光司
嘔吐・下痢がある患児への対応 /新庄正宜
予防接種で防ぐ病気 /中野貴司
小児の薬剤耐性菌に対する感染対策 /宮入 烈
Ⅲ.みんなで取り組む感染対策
小児科若手医師・専攻医が身につけたい感染対策の基本姿勢とトレーニング /西屋克己
家庭や学校での取り組み /菱木はるか
病院全体での取り組み /星野 直
原 著
体位性頻脈症候群(POTS)と登校状況に着目した起立性調節障害の経過 /甲賀健史・他
症例報告
両側同時期に発症した大腿骨急性骨髄炎 /藤川真之介・他
「よく眠る」という主訴から診断に至った急性散在性脳脊髄炎の2例 /芹澤龍太郎・他
アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用療法によりインスリン必要量が増加した1型糖尿病の1例 /橋本 悟・他
ねらい
石毛美夏 /日本大学医学部小児科学系小児科学分野
小児科診療において,感染症はいつの時代も最も身近な疾患の1つです.小児は成人と比較して感染症に罹患する機会が多く,保育所や学校などの集団生活の場から家庭,そして医療機関へと感染が広がることも少なくありません.そのため小児科医には,感染症を正しく診断し治療するだけでなく,感染を「もち込まない,広げない」ための知識と実践が求められてきました.
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は,われわれの感染対策に対する意識を大きく変えました.流行初期には,未知の感染症を前に,厳格な隔離や個人防護具の着用,面会制限など,感染を防ぐことを最優先とした対策が行われました.小児病棟でも付き添いや家族の面会が制限されるなどのつらい時期を経て,徐々に病原体に関する知見が蓄積し,流行株の変化やワクチン,治療薬の登場などもあり,現在では感染リスクと患者・家族への負担とのバランスを考え,それぞれの疾患や状況に応じた対策を選択することが求められています.
一方,感染対策には時代や病原体が変わっても変わらない基本があります.その中心となるのが,すべての患者に適用される「標準予防策(standard precautions:スタンダードプリコーション)」です.手指衛生,個人防護具の適切な選択と使用,環境整備などは感染対策の原点であり,すべての医療従事者が身につけるべき知識と技術です.しかし,入職したその日から必要となるものでありながら,多忙な現場で小児科医がこれらを系統立てて学ぶ機会は必ずしも多くありません.特にコロナ禍の「まずはフルガード」という診療環境で医師となった世代にとって,何をどの場面で行うべきかを改めて学ぶことには大きな意味があります.
そこで本特集では,Ⅰで小児における感染対策の特徴,スタンダードプリコーション,ポストコロナにおけるリスク評価と対策のバランスを取り上げました.Ⅱでは,一般外来,救急外来,病棟,検査・処置,新生児集中治療室などの診療場面に加え,早期産児,免疫不全・慢性疾患児,上気道症状や消化器症状を呈する患児,予防接種で防ぐことのできる疾患,薬剤耐性菌への対応まで,日常診療に即した感染対策を解説していただきました.さらにⅢでは,若手医師への教育,家庭や学校との連携,感染対策チーム(infection control team:ICT)活動やアウトブレイク対応など,病院・地域全体へと視点を広げました.
感染対策には,新たな知見や社会状況に応じて変えていくべきものと,時代が変わっても守り続けるべきものがあります.本特集が,コロナ禍を経た今,感染対策の基本を見直し,それぞれの現場で「いつ,どこで,何を,どこまで行うのか」を考え,実践するための一助となれば幸いです.
最後に,ご多忙のなか本特集の趣旨にご賛同いただき,ご執筆くださった先生方に心より御礼申し上げます.
小児科診療において,感染症はいつの時代も最も身近な疾患の1つです.小児は成人と比較して感染症に罹患する機会が多く,保育所や学校などの集団生活の場から家庭,そして医療機関へと感染が広がることも少なくありません.そのため小児科医には,感染症を正しく診断し治療するだけでなく,感染を「もち込まない,広げない」ための知識と実践が求められてきました.
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は,われわれの感染対策に対する意識を大きく変えました.流行初期には,未知の感染症を前に,厳格な隔離や個人防護具の着用,面会制限など,感染を防ぐことを最優先とした対策が行われました.小児病棟でも付き添いや家族の面会が制限されるなどのつらい時期を経て,徐々に病原体に関する知見が蓄積し,流行株の変化やワクチン,治療薬の登場などもあり,現在では感染リスクと患者・家族への負担とのバランスを考え,それぞれの疾患や状況に応じた対策を選択することが求められています.
一方,感染対策には時代や病原体が変わっても変わらない基本があります.その中心となるのが,すべての患者に適用される「標準予防策(standard precautions:スタンダードプリコーション)」です.手指衛生,個人防護具の適切な選択と使用,環境整備などは感染対策の原点であり,すべての医療従事者が身につけるべき知識と技術です.しかし,入職したその日から必要となるものでありながら,多忙な現場で小児科医がこれらを系統立てて学ぶ機会は必ずしも多くありません.特にコロナ禍の「まずはフルガード」という診療環境で医師となった世代にとって,何をどの場面で行うべきかを改めて学ぶことには大きな意味があります.
そこで本特集では,Ⅰで小児における感染対策の特徴,スタンダードプリコーション,ポストコロナにおけるリスク評価と対策のバランスを取り上げました.Ⅱでは,一般外来,救急外来,病棟,検査・処置,新生児集中治療室などの診療場面に加え,早期産児,免疫不全・慢性疾患児,上気道症状や消化器症状を呈する患児,予防接種で防ぐことのできる疾患,薬剤耐性菌への対応まで,日常診療に即した感染対策を解説していただきました.さらにⅢでは,若手医師への教育,家庭や学校との連携,感染対策チーム(infection control team:ICT)活動やアウトブレイク対応など,病院・地域全体へと視点を広げました.
感染対策には,新たな知見や社会状況に応じて変えていくべきものと,時代が変わっても守り続けるべきものがあります.本特集が,コロナ禍を経た今,感染対策の基本を見直し,それぞれの現場で「いつ,どこで,何を,どこまで行うのか」を考え,実践するための一助となれば幸いです.
最後に,ご多忙のなか本特集の趣旨にご賛同いただき,ご執筆くださった先生方に心より御礼申し上げます.