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小児科診療 最新号

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雑誌「小児科診療」2026年 Vol.89 秋増刊号 てんかん 診断・治療・ケアのアップデート

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掲載論文

カラー口絵
序文    白石秀明

第Ⅰ章 てんかん総論
てんかんをめぐる社会    今井克美
診断の歴史的経緯    中川栄二
世界のてんかん診療─国際的枠組みと各国制度の比較    加藤光広
てんかんと就労─小児科医に求められること    岡崎  伸
運転免許について    渡邊さつき
歴史・文化のなかのてんかん    松浦雅人
てんかんとともに生きる─てんかんがあっても夢はあきらめない    田所裕二

第Ⅱ章 てんかんの診断と治療
診断    奥村彰久
発作分類    遠山  潤
症候群分類    福山哲広
てんかん診療における画像診断の実際    小俣  卓
電気生理学的診断    柿坂庸介・他
核医学的診断    夏目  淳
病理診断    柿田明美
遺伝子診断    佐久間  啓
薬物治療総論    榎  日出夫
外科治療(切除療法)    臼井直敬
外科治療(緩和・遮断治療)─小児薬剤抵抗性てんかんに対する脳梁離断術の適応と術後成績    小野智憲・他
小児てんかん領域におけるニューロモデュレーション    藤本礼尚・他
食事療法    青天目  信

第Ⅲ章 各論
①自然終息性てんかん
 中心側頭部棘波を示す自然終息性てんかん(SeLECTS)    夏目  淳
 自律神経発作を伴う自然終息性てんかん(SeLEAS)    小國弘量
 小児後頭視覚てんかん(COVE)    高橋幸利・他
 新生児期・乳児期の自然終息性てんかん    山本啓之
②全般てんかん症候群
 若年ミオクロニーてんかん(JME)    井上有史・他
 小児欠神てんかん(CAE)    須貝研司
 全般強直間代発作のみを伴うてんかん(GTCA)    田中正樹
 若年欠神てんかん(JAE)    櫻井高太郎
 眼瞼ミオクロニーを伴うてんかん(EEM)    佐久間  悟
 ミオクロニー欠神発作を伴うてんかん(EMA)    岡西  徹
③全般・焦点てんかん症候群
 素因性てんかん熱性けいれんプラス(GEFS+)    石井敦士
④発達性てんかん性脳症
 乳児てんかん性スパズム症候群(IESS)    城所博之
 早期乳児発達性てんかん性脳症(EIDEE)    小林勝弘
 Lennox-Gastaut症候群    伊藤  進
 Dravet症候群    植松  貢
 ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん(EMAtS)    齋藤貴志
 遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん(EIMFS)    山口解冬
 Rasmussen症候群    住友典子
 難治頻回部分発作重積型急性脳炎(FIRES/AERRPS)    井上岳司・他
 視床下部過誤腫による笑い発作(GSHH)    白水洋史
 進行性ミオクローヌスてんかん(PME)    吉田健司
 片側けいれん・片麻痺・てんかん(HHE)症候群    菊池健二郎
 睡眠時棘徐波活性化を示す発達性てんかん性脳症/てんかん性脳症(D/EE-SWAS)    丸山慎介
⑤病因特異性てんかん症候群
 グルコーストランスポーター1欠損症(GLUT1欠損症)    小坂  仁
 Sturge-Weber症候群    菅野秀宣・他
⑥構造性焦点てんかん症候群
 構造性側頭葉てんかん    岩﨑真樹
 構造性前頭葉てんかん    小林良行・他
 構造性頭頂葉てんかん    江夏  怜・他
 構造性後頭葉てんかん    貴島晴彦
 その他の構造性てんかん(島葉,帯状回,脳室周囲結節状異所性灰白質)    萩原綱一

索引
和文索引・欧文索引

ねらい

てんかん 診断・治療・ケアのアップデート
白石秀明 獨協医科大学医学部小児科学

けいれん性疾患は熱性けいれんも含めて日常小児科診療のなかで多く遭遇する疾患といえます.親御さんの目の前で,わが子がまったく違う生き物のようになってしまう現象は大きな脅威として捉えられるでしょうし,周囲が慌てふためくことも多くあります.
てんかんは高等動物が中枢神経をもったときから生じた疾病であると考えられています.神話の時代の記載から,おそらくてんかんを示しているのであろう,けいれん性疾患の記載が見出されています.この症状に対して,色々な治療法が試されてきたことは容易に想像がつきます.また,その神秘的な症状から多くの宗教的影響を与えてきたこともあったようですが,てんかんをもった方々が社会から遠ざけられてきたことがあったのが事実です.
故に,てんかんを科学的に解明し,病因を明らかにし,適切な治療計画を立てていくことが求められます.すべての疾患でいえることではありますが,遺伝子検査をはじめ様々な医療の進歩により,これまでわからなかった疾患の病因が解明されることも出てきており,それに伴い適切な治療法の選択が可能になってきています.
増刊号では,おもに小児期に発症するてんかんのほぼすべてを取り上げ,その症状や病因,検査法や治療法を詳細に記載しました.編纂に際してはその分野をリードする第一線の先生にご依頼しました.諸先生方のご協力に深く感謝申し上げます.特に一般臨床で遭遇した事象に対しての診断プロセス,その特異的な所見の判断,そして適切な治療法への橋渡しが一読のもとにできるように,理解が容易な表現で記載することを心がけていただきました.本書を通読していただくと,今日のてんかんのすべてがわかると思いますが,それ以外に項目ごとに抄読していただくことで,目の前の患者さんへの対応が可能になるのではと考えております.辞書的に使っていただくことで,一般臨床におけるバイブル的な使い方ができるのではと考えておりました.
てんかん治療において,多くの抗てんかん発作薬の上市があり,てんかん外科治療の著しい進歩があります.てんかん患者さんにとって,治療の可能性が増してきており,多くの福音が得られているのではと考えます.また迷走神経刺激療法や深部脳刺激療法などの新規治療法も次々と開発されていることから,今後さらに情報がアップデートされていくことが期待されます.特に,てんかん外科治療は発作症状を限界まで駆逐することが可能になることもありますので,その適応の有無を見誤らない努力が非常に大切です.本書においてもカラー写真を含めて,その実際が記載されておりますので是非とも精読されることをお薦めします.
日々診療に当たられる先生方が,一般診療の傍らで本書を手に取り,患者さんの症状や所見を照合することにより,多くの情報を得られ,適切な治療につなげられることにより,患者さんの健康が担保されたとすれば存外の喜びであります.
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