株式会社 診断と治療社

【9月中旬発売予定】 若年女性からはじめる骨粗鬆症予防・診断・治療ガイドブック -小児期・思春期から更年期まで,骨の健康をつなぐために-

将来の骨粗鬆症・骨折予防は若年期から始める!

高齢化に伴う骨粗鬆症対策が進む一方で,いま注目したいのは若年女性の骨の健康です.やせ,月経不順,過度な運動,妊娠・出産など,ライフステージごとに異なる骨代謝の課題をわかりやすく解説.日本骨粗鬆症学会と日本女性医学学会による合同ワーキンググループの知見をもとに,医療・保健・教育・スポーツの現場で役立つ予防・早期診断・支援のポイントをまとめました.女性の骨の健康を生涯にわたり支えるための実践的ガイドブックです.
定価:
7,150円(本体価格 6,500円+税)
発行日:
2026/09/17
ISBN:
9784787827548
頁:
346頁
判型:
B5
製本:
並製
在庫:
在庫無し

序文

はじめに


本書を手に取り,若年女性の骨の健康という重要な課題に関心を寄せてくださった皆さまに,心より感謝申し上げます.
わが国では高齢化が進み,骨粗鬆症とそれに伴う骨折が大きな健康課題となっています.骨がもろくなるとちょっとした転倒でも骨折しやすくなり,日常生活の制限や要介護状態につながることが少なくありません.そのため現在,骨粗鬆症リエゾンサービス(OLS)をはじめ,多職種が連携し骨折を防ぐための体制づくりが各地で進められています.
その一方で,いま新たに目を向ける必要があるのが,若年女性の骨の健康です.現在の日本では,20代女性のおよそ5人に1人がBMI18.5未満の「やせ」に該当するとされています.過度なやせ志向,食事量や栄養の偏り,月経不順,運動量に見合わないエネルギー摂取などは,若い時期の骨づくりを妨げ,将来の骨粗鬆症や骨折につながる可能性があります.若いうちは,骨折などの目立った症状がなくても,骨量が十分に増えていなかったり,骨代謝に問題が生じていることがあります.こうした問題は,将来の骨折リスクにとどまらず,妊娠・出産を含む女性の生涯にわたる心身の健康にも深くかかわっています.
しかし,若年女性の骨粗鬆症の予防,早期診断,治療については,医療や保健の現場だけでなく,教育やスポーツの場においても,いまだ十分に共有されているとはいえません.骨は子どもの頃から育ち,思春期から若年成人期にかけて強くなり,その後の人生を支えていきます.だからこそ,若いうちから骨の健康に目を向け,自分の骨を守ることが大切です.
こうした背景から,2025年1月に日本骨粗鬆症学会と日本女性医学学会は合同で「若年女性の骨粗鬆症予防,早期診断・治療」に関するワーキンググループを設置しました.そして,医療,保健,教育,スポーツなど,さまざまな場で若年女性にかかわる方々に向けて,現在わかっていることと,実際の対応に役立つポイントをまとめた本書を刊行することといたしました.
本書で対象とする「若年女性」とは,小児期・思春期から性成熟期,さらに更年期および閉経後早期までを含む幅広い概念です.この時期の女性には,思春期のやせと月経不順,女性アスリートの疲労骨折,妊娠・出産・授乳に伴う骨代謝の変化,がん治療後の骨量低下,基礎疾患や薬剤に関連する続発性骨粗鬆症など,年代や背景に応じた多様な課題があります.これらに対応するためには,医師,看護職,薬剤師,理学療法士,栄養士,養護教諭,スポーツ指導者など,多職種がそれぞれの立場から支えることが必要です.
高齢者の骨粗鬆症については多くの知見が蓄積されている一方,若年女性の骨の健康に関するエビデンスは,いまだ十分とはいえません.そこで本書は,診断や治療方針を一律に定める「ガイドライン」ではなく,現時点で共有すべき基本的な考え方と実践の方向性を示す「ガイドブック」としてまとめました.本書が,医療,保健,教育,スポーツの各分野をつなぐ共通のよりどころとなり,若いうちから骨の健康を大切にする意識を社会に広げる一助となれば幸いです.
今後も新たな知見を取り入れながら,本書をより役立つものへと育ててまいります.読者の皆さまから,率直なご意見やご提案をお寄せいただければ幸いです.

2026年9月

日本骨粗鬆症学会・日本女性医学学会合同「若年女性の骨粗鬆症予防,早期診断・治療」に関するワーキンググループ
委員長 倉林 工

目次

はじめに
執筆者一覧

序論
01 骨粗鬆症とは:定義と診断基準,若年女性からの骨卒中予防  萩野 浩
02 骨粗鬆症診療における女性医学の意義:若年からの対応のために  髙松 潔

Ⅰ 総論
骨粗鬆症性骨折の実際
01 骨粗鬆症性骨折の症状・障害  宮腰尚久
疫学
02 骨粗鬆症の疫学  吉村典子
03 骨粗鬆症のリスク因子  佐藤弘恵
骨代謝の基礎
04 女性のライフサイクルと骨代謝  安井敏之,木内理世
05 性ホルモンからみた骨代謝の基礎  宮本健史
診断
06 骨密度測定の必要性とその方法  曽根照喜
07 骨代謝関連マーカー,血液・尿検査の意義  今西康雄
08 骨粗鬆症のスクリーニングツール  佐藤弘恵
予防と治療
09 骨粗鬆症予防のための栄養  津川尚子
10 骨粗鬆症予防のための運動  大森 豪
11 骨粗鬆症予防のためのサプリメント  太田邦明
12 薬物療法  善方裕美

Ⅱ 各論
01 小児の骨粗鬆症の特徴とリスク因子  坂本優子
02 先天性疾患による骨粗鬆症  坂本優子
03 小児・青年期の骨粗鬆症と運動療法  村上玲子
04 性腺機能不全(月経異常)に伴う骨粗鬆症  北島百合子
05 早発卵巣不全に伴う骨粗鬆症  寺内公一
06 ターナー症候群の骨粗鬆症  粒来 拓
07 やせ・単純性体重減少性無月経による骨粗鬆症  甲村奈緒子,甲村弘子
08 摂食障害と骨粗鬆症  小川真里子
09 アスリートの骨粗鬆症 ①産婦人科的視点からみた予防・管理  能瀬さやか
10 アスリートの骨粗鬆症 ②整形外科的視点からみた予防・管理  金子晴香,石島旨章
11 性ホルモン低下療法に伴う骨粗鬆症  太田郁子
12 婦人科悪性腫瘍後に続発する骨粗鬆症  小林範子
13 閉経前乳がんにおける治療に関連する骨減少  田口哲也
14 妊娠・授乳関連骨粗鬆症:定義,診断,疫学  寺内公一
15 妊娠・授乳関連骨粗鬆症:病態  倉林 工,森川香子
16 妊娠・授乳関連骨粗鬆症 ①産婦人科的視点からみた管理  善方裕美
17 妊娠・授乳関連骨粗鬆症 ②整形外科的視点からみた管理  宮本健史
18 若年女性のロコモティブシンドローム  佐藤弘恵
19 グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症  田中郁子
20 関節リウマチ,膠原病に伴う骨粗鬆症  田中郁子
21 慢性腎臓病を合併した若年女性の骨粗鬆症  風間順一郎
22 糖尿病に伴う骨粗鬆症  山内美香
23 甲状腺疾患に伴う骨粗鬆症  鈴木敦詞
24 副甲状腺疾患に伴う骨粗鬆症  竹内靖博
25 閉経後骨粗鬆症  岡野浩哉
26 若年男性の骨粗鬆症:女性との比較   井上玲子,井上大輔

Ⅲ 骨粗鬆症の多職種連携
01 骨粗鬆症検診制度の現状と今後の展望  石橋英明
02 女性の低体重・低栄養症候群  田中 栄
03 学校での骨健康教育:行政・学校と連携した啓発活動の取り組み  石川哲大,並木道貴
04 周産期からの骨粗鬆症予防対策  倉林 工,山口雅幸
05 地域での骨粗鬆症予防における婦人科クリニックの役割  望月善子
06 地域での骨の健康促進活動における医師・薬剤師の協働:地域住民(特に女性)の地域・家庭・学校における骨の健康啓発  宮原富士子
07 若年女性における骨粗鬆症予防と多職種連携の実際  林 綾野

索引

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