株式会社 診断と治療社

フローチャートでスッキリ! 内科医のための内分泌疾患見逃し予防 【4月中旬発売予定】

日本内分泌学会創設100周年記念!!! 倦怠感や動悸,体重変動,わずかな検査値異常など,日常診療のなかの“ありふれた所見”や“訴え”の背後に潜む内分泌代謝疾患を見逃さないよう,専門家がヒントを与えてくれます.また,そのヒントを“次にどうつなげていくか”の視点と手がかりにも言及しました.さらに,地域の実地医家が,適切なタイミングで専門医へつなぐための“確かな判断力”を養うことができるよう,主要な内分泌疾患の概要をコンパクトに整理した,信頼の一冊です.
定価:
3,740円(本体価格 3,400円+税)
発行日:
2026/04/14
ISBN:
9784787827654
頁:
152頁
判型:
A5
製本:
並製
在庫:
在庫無し

序文

刊行によせて

典型的な内分泌疾患は,特徴的な臨床像―先端巨大症やCushing症候群などの特徴的な顔貌や身体所見など―をしばしば伴うため,内科診断学では「Snap Diagnosis」(直感的診断)の代表格として取り上げられる.特有の作用を有するホルモンの過不足による特徴的な検査所見を呈する内分泌疾患は,非専門医には専門性の高い稀少疾患という印象が強いかもしれない.
一方,肥満症,糖尿病,高血圧,脂質異常症,骨粗鬆症などの身近な疾患にもホルモン分泌の異常が関連することは多い.非特異的な症候・不定愁訴や様々な生活習慣病では原因が明確にされないままに症状の軽減・検査値の改善のための対症療法が選択されることがあるが,内分泌疾患あるいはホルモン分泌の異常に関連する場合には原因療法が可能であるため,日常診療の現場においてしっかり見極める必要がある.内分泌疾患の見逃し予防のためには,内分泌疾患を知り,様々な症状・検査値の異常において,内分泌疾患を積極的に想起・除外する作業が肝要である.
ホルモンの概念は20世紀初頭に英国のErnest Starling博士(1866~1927)により提唱された.わが国では1925年に京都帝国大学の辻 寛治教授(1879~1960)により日本内分泌学会が発足し,2026年に日本内分泌学会は創設100周年を迎える.この節目の時期に日本内分泌学会では,一般市民の方々に内分泌疾患を広く知っていただくための様々な企画を準備しているが,この機会にプライマリケア医・非専門医にも日常的に遭遇する内分泌疾患の重要性を再認識していただけるようにしたいと考えている.
本書は,内分泌疾患診療の経験豊富な橋本貢士教授が責任編集を務め,創設100周年記念事業委員会の準備委員と第99回学術総会のプログラム委員が中心になって執筆を担当し,100周年記念事業の一環として企画されたものである.本書の「PART 1 症候」では,日常的に遭遇する様々な症候における内分泌疾患の気づきの極意がまとめられており,「PART 2 疾患概要」では,日常診療において注意が必要な代表的な30種類の内分泌疾患がわかりやすく解説されている.
日頃から幅広い症候・疾患に遭遇するプライマリケア医・非専門医には,文字どおり,見逃せない1冊である.本書を片手に,目の前の患者さんに隠れている内分泌疾患を見つけ出す面白さとともに,臨床内分泌学の奥深さを再認識していただければ幸いである.

2026年4月
日本内分泌学会代表理事
JES2026会長・ICE2026共同会長
九州大学大学院医学研究院病態制御内科学(第三内科)主幹教授
小川 佳宏




刊行によせて

日本内分泌学会は,2026年に創設100周年を迎えます.その節目の年に,京都にて第22回国際内分泌学会議と第99回日本内分泌学会学術総会が合同開催されます.「Enlightened Endocrinology in Unprecedented Times(異次元の時代における進化する内分泌学)」を学会のテーマとして,様々な分野の内分泌学の臨床および基礎研究の新たな100年の展望を議論する予定です.これを契機に,日本内分泌学会の国際化が進むことを期待しています.
学会の国際化とは,異なる国の研究者同士が,お互いの研究成果について議論をして影響を及ぼし合うことです.そのような交流によって,内分泌疾患の病態,診断,治療,管理などについて,これまで示されていなかった新しい知見を見いだすことが重要です.
本書は,学会創設100周年記念事業として出版する書籍で,内分泌学の原点に立ち返り,様々な症候から基本的な内分泌疾患を見逃さないことを目的に企画されました.日常で多く遭遇するありふれた自覚症状や症候の1つひとつは非特異的であっても,それらが2つ,3つと重複すると自ずとある内分泌疾患で説明できることに気づきます.診断に関してAIが「専門医」を超える日がくるかもしれませんが,AIをうまく活用する過程で我々「専門医」も各疾患に関して新たな気づきを得ることができます.
また,本書のもう1つの目的は,内分泌学を単に1つの学問として学ぶだけでなく,患者さんの自覚症状,症候に1例1例丁寧に向き合うなかで,典型例のなかから非典型的な症候を見出して,新たな診断法や治療法の開発につなげることです.さらに,各疾患の病態の治療だけではなく,患者さんのQOLを改善する管理法を見いだしていくことも重要です.
これからの100年では,今まで同定されていなかった新たな疾患や病因の発見に加えて,すでに知られている古典的な内分泌疾患の影に隠れていた症候や新たな管理法が見出されていくことが大いに期待され,本書がその一助になることを祈念いたします.

2026年4月
日本内分泌学会副代表理事
ICE2026共同会長・ICE2026/JES2026共同プログラム委員長
大分大学理事・副学長・医学部教授 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座
柴田 洋孝




序文~本書を手に取ってくださった先生方へ

日本内分泌学会は1925年に「内分泌學雑誌」を創刊して以来,内分泌代謝学の発展とともに歩みを重ね,本年,創設100周年という大きな節目を迎えました.この1世紀の間,内分泌代謝学は基礎から臨床へ,さらには社会医学的視点へと広がり,人の生命と恒常性を支える重要な医学領域として発展してきました.
内分泌代謝疾患は,倦怠感,体重変動,動悸,あるいは検査値のわずかな異常など,日常診療でごくありふれた訴えや所見として現れることが少なくありません.そのため,専門領域以外では見逃されやすい傾向があります.一方で,内分泌代謝疾患の可能性を常に念頭におくことで,診断に結びつき,患者さんの予後や生活の質を大きく改善できる疾患が数多く存在します.日々最前線の診療に携わり,地域医療を支える実地医家の先生方こそが,その最初の気づきの担い手であると,私たちは考えています.
本書「フローチャートでスッキリ! 内科医のための内分泌疾患見逃し予防」は,日本内分泌学会創設100周年記念企画の一環として,実地医家および非内分泌代謝科専門医の先生方を主な対象に企画された,分担執筆の書籍です.「PART 1症候」では,日常臨床でよく遭遇する19の訴え,症状,症候ならびに検査所見を切り口に,「どのような場面で内分泌代謝疾患を疑うべきか」「次に何を考えるべきか」を,できる限り実践的に示しました.「PART 2 疾患概要」では,代表的な30の内分泌代謝疾患について,その全体像を簡潔にまとめ,診療の合間にも参照しやすい構成としています.
本書は主に日本内分泌学会理事ならびに創設100周年記念事業タスクフォース(TF)のメンバーの先生方に分担執筆をお願いしました.ご多忙にもかかわらず,本企画の趣旨に深くご理解とご賛同を賜り,貴重な知見と経験を惜しみなくご執筆いただきました.また本事業は,一般社団法人MET-SL(代表理事 友松盛浩様)からご提案され,多大なるご支援を賜りました.この場をお借りして,心より感謝申し上げます.

本書の責任編集は日本内分泌学会副代表理事であり,TFメンバーでもある私,橋本が担当いたしました.本書が,先生方の日常診療のなかで,「この患者さんは,ひょっとして内分泌代謝疾患ではないだろうか」と立ち止まるきっかけとなり,適切な診断や専門医への橋渡しにつながる一助となることを切望しております.そして内分泌代謝疾患を見逃さない診療の輪を広げ,次の100年へと続く医療の質の向上に寄与することを期待してやみません.

2026年4月
日本内分泌学会副代表理事
ICE2026/JES2026共同プログラム委員長
獨協医科大学埼玉医療センター糖尿病内分泌・血液内科 主任教授
「フローチャートでスッキリ! 内科医のための内分泌疾患見逃し予防」責任編集
橋本 貢士


JES2026:第99回日本内分泌学会学術総会,ICE2026:第22回国際内分泌学会議

目次

刊行によせて......小川佳宏
刊行によせて......柴田洋孝
序文......橋本貢士
執筆者一覧
略語一覧

●Part 1 症候
動 悸......橋本貢士
体重減少......宮地康高・小川佳宏
体重増加(肥満)......向井康祐・下村伊一郎
倦怠感......吉田雄一・柴田洋孝
便 秘......井上大輔
下 痢......益崎裕章・玉城敦子
悪心・嘔吐,食欲不振......髙栁宏樹・小川佳宏
浮腫(むくみ)......方波見卓行
口渇,多飲・多尿......須賀英隆・寺田良磨
高血圧......横田健一・曽根正勝
高血糖......田中智洋
視野・視力障害......福岡秀規
頭 痛......大月道夫
脱 毛......山本雅昭
認知機能障害......石川実里・浅原哲子
無月経,月経周期異常......岩佐 武・山本由理
高カルシウム血症......槙田紀子
低ナトリウム血症......紙谷史夏・髙橋 裕
低カリウム血症......小笠原諒・馬越洋宜

●Part 2 疾患概要
先端巨大症(成長ホルモン産生下垂体腫瘍)......中島拓紀・髙橋 裕
プロラクチノーマ(プロラクチン産生下垂体腫瘍)......大月道夫
甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生腫瘍......福岡秀規
汎下垂体機能低下症......山本雅昭
成人成長ホルモン分泌不全症......浦井 伸・髙橋 裕
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症......福岡秀規
Cushing病......大月道夫
中枢性尿崩症(バソプレシン分泌低下症)......須賀英隆・近藤優樹
バソプレシン分泌過剰症(SIAD)・ミネラルコルチコイド反応性低ナトリウム血症(MRHE)......須賀英隆・近藤優樹
Basedow病(甲状腺機能亢進症)......橋本貢士
無痛性甲状腺炎......橋本貢士
亜急性甲状腺炎......橋本貢士
橋本病(甲状腺機能低下症)......橋本貢士
原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)......槙田紀子
副甲状腺機能低下症......槙田紀子
ビタミンD欠乏症......井上玲子・井上大輔
骨粗鬆症......井上玲子・井上大輔
原発性アルドステロン症......曽根正勝
Cushing症候群......福元多鶴・馬越洋宜
褐色細胞腫・パラガングリオーマ......方波見卓行
Addison病......吉田雄一・柴田洋孝
インスリノーマ......宮地康高・小川佳宏
ガストリノーマ......田中智洋
Turner症候群......岩佐 武・武田明日香
Klinefelter症候群......岩佐 武・武田明日香
多囊胞性卵巣症候群(PCOS)......岩佐 武・野口拓樹
更年期障害......岩佐 武・田村 公
糖尿病......細川吉弥・下村伊一郎
肥満症......石川実里・浅原哲子
家族性高コレステロール血症......益崎裕章・玉城敦子

索 引

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