株式会社 診断と治療社

昭和医科大学烏山病院リハビリテーションセンター編 大人のADHDサポートブック みんなのデイケアプログラム

ADHD 専門のプログラムを行い,ADHD をもつ人の生きづらさや困り感を支援する昭和医科大学烏山病院リハビリテーションセンター.本書は,同センターでのプログラムの内容と当事者の声を,優しく温かな語り口でイラストを多数ちりばめて紹介.大人のADHD支援に携わる専門職必読の一書です.
診断と治療社ホームページよりワークブックをダウンロードいただけます.
  • 昭和医科大学 客員教授・こいしかわ発達障害センター 所長 岩波 明監修
  • 昭和医科大学烏山病院リハビリテーションセンター 水野 健編著
  • 昭和医科大学烏山病院リハビリテーションセンター 横井 英樹編著
  • 昭和医科大学烏山病院リハビリテーションセンター 五十嵐 美紀編著
定価:
4,180円(本体価格 3,800円+税)
発行日:
2026/07/09
ISBN:
9784787826770
判型:
B5
製本:
並製
在庫:
在庫あり
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序文

 本書は,成人期のADHDをもつ方への支援のなかでも,昭和医科大学烏山病院リハビリテーションセンター(精神科デイケア)での実践をもとに,「ADHDに対する理解」と「支援の具体化」を目的として執筆しました.
 近年,成人期以降にADHDと診断される方は増えてきています.仕事や家族関係を含めた対人関係,生活の管理など,様々な場面で困りごとを抱える方が少なくありません.しかし,その特性は周囲から見えにくく,支援者にとってもかかわりかたに悩むことが多い領域です.
 当センターでは2008年より発達障害のある方を受け入れ,試行錯誤を重ねながら支援プログラムを発展させてきました.そのなかの1つとして,2013年12月6日よりADHD専門プログラムを実施しています.
 このプログラムは,単にスキルを学ぶツールではありません.集団のなかで当事者同士が相互に影響を与え合う場を活かしながら,自分の特性に気づき,他者との関係のなかで新しい対処の仕方を見つけていく試行錯誤のプロセスそのものを大切にしています.そのプロセスを支えるためには,支援者の柔軟な視点や,場を丁寧に整えていく力が欠かせません.本書では,「どのように場をつくるのか」「どのように進めるのか」といった点について,できるだけ具体的にまとめました.プログラムの立ち上げかたやセッションの構成,参加者へのかかわりかた,さらには現場でよく直面する戸惑いやトラブルへの対応まで,実践に活かしやすい形で紹介しています.加えて,プログラムのなかで当事者の方々が実際に考え,工夫しながら取り組んでいるアイデアやコツも,できるかぎりそのままの形で掲載しました.同じADHDという診断であっても,特性や困りごとは一人ひとり違った形であらわれます.本書のなかから,「これなら自分にも合いそうだ」と感じられるヒントが1つでも見つかれば幸いです.
 残念ながら,専門プログラムも万能ではありません.「どのように支援を調整していくのか」という点も含めて,一人ひとりの生活に合わせながら,学んだことを実際の場面で活かせるよう支えていくこと,そして環境を適切に調整していくことが重要になります.本書では,生活支援や就労支援にとどまらず,社会資源の活用や家族への支援といった観点についても取り上げています.
 さらに時間が限られてしまう診察や検査・相談だけでは見えにくい,日常の行動や対人交流といった「その場でしか見えない情報」の大切さにもふれています.そうした観察をどのようにアセスメントにつなげ,支援へと活かしていくのかについても解説しました.
 本書は,支援者が当事者をより立体的に理解し,個別性と集団の力を両立させたかかわりができるようになることを目指しています.本書を通して,ADHD支援に取り組むことへのハードルが少しでも下がり,こうした取り組みが広がっていくことを願っています.そして,デイケアに携わる支援者の皆様の実践を支える一助となれば幸いです.
 最後に,日々ともに試行錯誤を重ねてきたデイケアスタッフの皆様,そしてプログラムに参加してくださった皆様に,心より感謝申し上げます.

昭和医科大学発達障害医療研究所        
昭和医科大学烏山病院リハビリテーションセンター
水野 健,横井英樹,五十嵐美紀

目次

監修の序  岩波 明
発刊にあたって  太田晴久
序文  水野 健,横井英樹,五十嵐美紀
監修・執筆・編著者紹介

第1章 ADHDの基礎知識
 A ADHDとは  岩波 明,沖野和麿 
 B 治療の概要  岩波 明 

第2章 成人期ADHDのみかた・とらえかた  横井英樹 
 A 心理検査―検査結果と自己理解の意義― 
 B 観察からわかること―よくみられる行動や対人交流のパターンなど― 
 C 面接・情報収集―インテーク面接で聞くべき項目,介入のヒントとなる情報― 

第3章 デイケアにおける支援  水野 健 
 A ADHD専門プログラム
 A−1 ADHD専門プログラムの概要 
 A−2 ADHD専門プログラムの立ち上げかた 
 A−3 ADHD専門プログラム進行のコツとトラブル対処 
 B 専門プログラムから生まれた,みんなの困りごと対処法・解消法 
 C ADHD専門プログラム以外のデイケアプログラム 
 D チームアプローチのコツ 

第4章 個別支援/家族支援 
 A 面談・心理的サポート  横井英樹 
 B 生活支援  横井英樹 
 C 就労支援  水野 健 
 D 家族との関係や家族への説明の仕方(ADHDの家族介入)  五十嵐美紀 
 E 社会資源の活用  水野 健 

第5章 当事者の声 支援者に知っておいてほしいリアルな声 
 A ADHDと就労―働く当事者の声―  水野 健 
 B 家事―大変さと求める支援(ADHDと家事)―  五十嵐美紀 
 C 性別による大変さと求める支援―ADHDの性差を考える―  五十嵐美紀 
 D ADHDの周囲への伝えかた  五十嵐美紀 
 E おわりに  水野 健 

索引 
施設のご紹介

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