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診断と治療社 | 雑誌詳細:小児科診療

小児科診療

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2024年 Vol.87 No.2 2024-01-16

米国の小児医療・卒後教育の現状と臨床留学への手引き

定価:3,190円(本体価格2,900円+税)

冊 

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掲載論文

序 文  /大石公彦

Ⅰ.米国の小児医療を取り巻く現状
視野を広げて前進を続ける  /大石公彦
米国臨床留学・新しい時代における目的と意義  /津田 武
米国小児科医療の診療体制  /髙城大治
米国における移行期医療の取り組み  /伊藤誠治・他
米国の卒後教育,専門医制度  /成相宏樹
米国の小児科レジデントプログラムディレクターの心構えとレジデントに対する想い
 ~Jessica Reid-Adam先生とのインタビュー~  /Jessica Reid-Adam・他

Ⅱ.小児科臨床留学の準備
臨床留学に必要な資格取得の準備  /松浦有佑
臨床留学の時期を考える  /佐々木 潤
米国におけるレジデンシーポジションの応募,インタビュー,マッチング  /古田 穣
米国臨床留学のためのビザ  /高橋卓人
英語の習得  /桑原功光
N Programの紹介  /西元慶治

Ⅲ.米国での仕事や生活
小児の地域医療に携わる医師として  /成相枝織
米国での生活 #1 研修期間中の生活  /小野博也
米国での生活 #2 子育てや女性の活躍について  /佐々木奈央
米国での生活 #3 研修終了後の生活  /石塚万貴
米国での生活 #4 渡米してからの家族との生活,苦労,出会いなど  /今村壽宏
米国で活躍する日本人小児科医の日本との連携  /安田 幹
米国におけるクリニカルリサーチの実践  /西崎 彰
帰国か永住かの選択 #1  /大宜見 力
帰国か永住かの選択 #2  /鈴木麻也

原 著
神経性やせ症入院例とCOVID-19流行  /森 和徳・他

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ねらい

大石公彦 /東京慈恵会医科大学小児科


 日本の医療系テレビドラマ には, 一般常識とはかけ離れた診療技術をもつスーパードクターが登場します.米国医療の第一線で活躍し,一流病院から凱旋帰国という経歴がよくあるシナリオです. 現実には,外科系の医師の世界でしかみられそうもないまれなことでしょうが,日本ではできなかった困難な手術をやってのける医師を養成する米国の医療に若い頃の筆者は憧れたものです.長じて, 多くの縁に恵まれて米国での小児科臨床医としてのキャリアを目指すことができました.ドラマのスーパードクターのようにはなれませんでしたが,自分なりに多くの貴重な経験をし,本特集で執筆をしてくださった米国の日本人小児科医たちをはじめとする多くの友人を得ることができました.
 2年前に米国から帰国し,若い小児科医を指導する立場になりました.自身が米国で経験したことをいかに彼らのキャリアや日本の小児医療のために還元するかということが,現在の筆者の課題です.しかし,筆者一人でできることは限られています.同じような境遇をもった仲間の協力を得ながら何とかしたいという気持ちで編集させてもらったのが,この「米国の小児医療・卒後教育の現状と臨床留学への手引き」の特集号です.
 景気や社会構造の変化による若者の内向き志向が懸念されるようになり,海外留学を目指す人も少なくなっているという話をよく耳にします.ところが,実際には優秀な日本の若者たちが毎年数名ずつ米国小児科のレジデント一年生として渡米しています.さらに,レジデントとしての研修後も専門性を高めるためのトレーニングを積み,小児医療の様々な分野の臨床現場で活躍しています.その影響もあり,これまでに米国で評価を得た先輩医師が若い小児科医たちの機会を広げるという相乗効果が生み出されています.現在では多くの日本人小児科医が全米の各都市で専門医を目指して研鑽に励み,次世代の教育,研究,地域医療への貢献をしています.
 日米双方の医療を経験した筆者の目には,米国の医療がすべての面において日本に優っているようにはみえません.しかし,改良をくり返してきた卒後教育システム,エビデンスの創出,そのエビデンスに基づいた医療,ワークライフバランスへの取り組みなど,学ぶことは多くあります.また,医療の進歩による新規医薬品の開発,疾病構造の変化,コロナ禍などによる人々の行動様式の変容,予防医学への意識の向上など,小児医療を取り巻く環境は最近米国でも大きく変わってきており,それらに対して米国でどのように取り組んでいるかを知ることにも意義があると考えています.
 将来,米国の小児医療での修練に挑戦する若手小児科医へのサポート,そして,今後の日本の小児医療をさらによいものにするために尽力されている先生方への情報提供を目指して企画したものが本特集号です.米国の小児医療の様々なフィールドで活躍されている仲間の先生方に執筆していただきました.彼らの原稿の内容には,筆者自身の経験や所感と重なることも多く,当時を振り返るよい機会にもなりました.本特集を通じて,米国での実際の医学教育,小児医療,環境,プライベートな生活,臨床留学のための準備に至るまで,これまでにはなかった生の声を反映したリソースを提供することができたと自負しています.今後の日本の小児医療の発展,若者の世界への挑戦に少しでも貢献できればと願います.

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2024年 Vol.87
No.5 特集/それってほんとにITP?最新号
No.春増刊号 特集/子どもの皮膚診療を極めるために
No.4 特集/新生児・乳児の感覚に寄り添う
No.3 特集/小児コロナウイルス感染症の現在地と小児医療に与えたインパクト
No.2 特集/米国の小児医療・卒後教育の現状と臨床留学への手引き
No.1 特集/小児疾患におけるアフェレシス
2023年 Vol.86
No.12 特集/微量元素とビタミンが子どもにとってなぜ必要か
No.11 特集/成長曲線を書こう
No.秋増刊号 特集/アレルギー疾患 最新治療と生活からの視点
No.10 特集/古くて新しい予防接種〜この10年で何が変わったか〜
No.9 特集/トリソミーのすべて:NIPTの時代に
No.8 特集/小児・AYA世代がん診療の現在と未来
No.7 特集/ポストコロナ,少子化時代:30年後の小児医療と人材育成
No.6 特集/小児の敗血症診療up to date
No.5 特集/研修医として今知りたい新生児の診療に必要な手技
No.春増刊号 特集/小児の治療指針
No.4 特集/知っておきたい小児炎症性腸疾患(IBD)
No.3 特集/これでよくわかる自己炎症性疾患
No.2 特集/全身をみて,腎・尿路疾患に気づく
No.1 特集/子どもと家族への心のケア
2022年 Vol.85
No.12 特集/医療情報の利活用 現在と未来
No.11 特集/感染症診療における迅速検査を知る
No.秋増刊号 特集/今考える,移行期医療
No.10 特集/食物アレルギー
No.9 特集/くわしく知ろう小児の機能性消化管疾患
No.8 特集/小児在宅医療をすすめるために
No.7 特集/血液・腫瘍疾患,急ぐべきときは「今」
No.6 特集/小児神経検査マニュアル
No.5 特集/研修医・専攻医・指導医のための小児科研修指南
No.春増刊号 特集/小児画像診断のコツ
No.4 特集/サイトカインストームと小児疾患
No.3 特集/症例から考える小児泌尿器疾患小児病院での私のみかた
No.2 特集/子どもの事故(傷害)いかに防ぐか
No.1 特集/基礎理論に基づいた小児漢方診療
2021年 Vol.84
No.12 特集/治療可能な先天代謝異常症を診断しよう!
No.11 特集/小児遺伝子疾患事典
No.10 特集/頭痛診療の基本から最新の知見まで
No.9 特集/おさえたい川崎病ガイドラインのツボ
No.8 特集/発生学から考えてみよう!小児の先天疾患
No.7 特集/小児栄養 UP to DATE
No.6 特集/統計的分析手法と研究デザイン
No.5 特集/乳幼児健診実践ガイド
No.増刊号 特集/〜エキスパートの経験に学ぶ〜小児科 Decision Making
No.4 特集/小児科医の疑問に答える!子どもと新型コロナウイルス
No.3 特集/災害時の小児医療〜災害の経験を今後に活かす〜
No.2 特集/新ガイドラインの理解を深める 新生児マススクリーニング
No.1 特集/学童期の神経疾患のファーストタッチから専門診療へ
2020年 Vol.83
No.増刊号 特集/症候・疾患からみる小児の検査
2019年 Vol.82
No.増刊号 特集/小児の診療手技