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2021年 Vol.109 No.5 2021-05-07

脳卒中:内科医が知っておくべき最新診療

定価:2,860円(本体価格2,600円+税)

冊 

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掲載論文

ねらい 伊藤義彰

◆最新の脳卒中診断学
脳卒中病態学 大野陽哉,他
症候学 瀧澤俊也,他
画像診断 木村龍太郎,他
鑑別診断 伊澤良兼
評価スケール 丸岡 響,他

◆脳卒中急性期治療
血栓回収療法 有馬大紀,他
血栓溶解療法 大木宏一
急性期抗血小板療法 安部貴人
脳浮腫治療,脳保護薬 山城一雄,他
高血圧性脳出血 堀口 崇
抗血栓療法中の脳出血に対する治療法 大槻俊輔

◆一次予防と再発予防
心原性脳塞栓症の再発予防 安田高志,他
アテローム血栓症に対する抗血小板療法 池田宗平,他
塞栓源不明脳塞栓症(ESUS)の再発予防 遠井素乃,他
脳血管障害のリスクコントロール 吾郷哲朗
最新の脳卒中リハビリテーション治療 藤原俊之
一次脳卒中センターと地域医療 橋本洋一郎,他

連 載
◎症例を俯瞰する総合診療医の眼
舌の腫脹を主訴に来院した30歳男性 望月礼子
◎注目の新薬
バフセオ®錠(バダデュスタット) 本田浩一
◎医療裁判の現場から
患者がゼリーを誤嚥した後すぐに診察や検査等を実施すべきだったのに,これを怠り患者を死亡させたとして争われた事例 清水 徹

総 説
2型糖尿病治療における新しいGLP-1受容体作動薬:経口セマグルチドの作用機序ならびに特性 綿田裕孝

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ねらい

 2016年に脳梗塞急性期機械的血栓回収療法についての有効性が5つの大規模試験で示されたのを契機に,脳卒中急性期の診療は大きく変わりつつある.それまでは,rt-PAによる血栓溶解療法が急性期脳梗塞治療の最も効果の高い治療であり,発症後4.5時間までしか適応がない,再開通率の低い脳梗塞がある,出血性梗塞へ悪化する場合があるなどの問題があった.これに対してカテーテルによる血栓回収療法はさらに主幹動脈の閉塞を直接再開通させることができ,しかも治療可能時間も6時間,条件によっては24時間まで延長させることを可能にした.
 こうした治療は外科および内科の血管内治療専門医が担うべきものではあるが,日常の臨床において内科医はどのようにこの治療法を生かすべきか熟知しておく必要がある.というのも普段の脳卒中のリスク管理を担うのは一般の内科医であり,リスクの高い患者や発症直後の急性期の患者を先端医療に結びつけるのは内科医が果たすべき役割だからである.また先端医療に結び付けられない患者の治療や,治療後の再発予防もこれまで以上に求められている.
 そこで本企画では,3つの観点から内科医が知っておくべき脳卒中の最新診療をお伝えする.
 まず基礎的な「最新の脳卒中診断学」では,血栓回収療法や血栓溶解療法などの新しい治療法を理解する上で重要な,脳卒中病態学,症候学,画像診断学について取り上げる.新たな治療法では,血流低下領域と虚血中心部とのミスマッチについての理解が極めて重要で,比較的時間が経過していてもミスマッチがあれば劇的に症状を改善させることができるが,ミスマッチがなければ超急性期であっても血行再建の効果はでない.こうした病態を画像で捉えることも重要で,灌流画像と拡散強調画像とのミスマッチを評価する意義を理解する必要がある.
 次いで「脳卒中急性期治療」では,血栓回収療法,血栓溶解療法,急性期抗血小板療法,脳出血治療などの最新の治療法を具体的に内科医にとってわかりやすい形で紹介する.脳卒中急性期治療は一次脳卒中センターで集中的に治療する方針が施策上推奨されているが,軽症であったり院内発症であったり,依然として内科医が治療にあたる場面も少なくない.この章ではこうしたときに役立つ治療法が紹介されている.
 さらに「一次予防と再発予防」では,先端技術を用いたリハビリテーション,抗血栓療法,リスク管理などを取り上げ,脳卒中予防に果たす内科医の役割を伝える.血圧,脂質異常症,糖尿病といったリスク管理は年々厳格となってきており,一般の内科医の活躍が最も期待される分野である.
 このように本特集は,内科医が知っておくべき脳卒中の知識を網羅しており,文章もわかりやすく図表も多いことから,日常の内科診療に役立つ内容となっている.

大阪市立大学大学院医学研究科脳神経内科学
伊藤義彰

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