診断と治療
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わが国の内科総合誌のパイオニアで,数ある総合誌のなかでも抜群の安定性と評価を誇る. 新進気鋭の編集委員を迎え,最新情報を盛り込み読みごたえ満点. 連載「視診で見抜く!皮膚疾患の診かた」「注目の新薬」など. 増刊号も毎回シャープな切り口と実際的な内容が大好評. 2色刷のビジュアルな誌面. |
2024年 Vol.112 No.3 2024-03-05
感染症を鑑別したあとは? 非感染性腸炎を見極める!
定価:2,970円(本体価格2,700円+税)
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https://www.m2plus.com/content/isbn/9784015011203
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ねらい 土屋輝一郎
非感染性腸炎の由来から見極める
薬剤や治療によりきたす医原性の腸炎 坂田資尚,江﨑幹宏
全身性疾患から波及する腸炎 穂苅量太,種本理那,成松和幸
非感染性腸炎を見極めるためのポイント
非感染性腸炎を見極める問診の工夫 都築義和,今枝博之
臨床検体検査から非感染性腸炎を見極める 山本修司
画像検査から非感染性腸炎を見極める 林 由紀恵,高林 馨,緒方晴彦
非感染性腸炎の診断アルゴリズム 渡辺憲治,高嶋祐介
代表的な非感染性腸炎の診療と紹介時の見極めかた
潰瘍性大腸炎・Crohn病 宮村美幸,松岡克善
非特異性多発性小腸潰瘍症・家族性地中海熱遺伝子関連腸炎 我妻康平,横山佳浩,仲瀬裕志
腸管Behçet病・単純性潰瘍 久松理一
薬剤性腸炎①―NSAIDs,抗菌薬,PPI― 渡邉俊雄
薬剤性腸炎②―抗がん剤,免疫チェックポイント阻害薬― 宗 英一郎,上野彰久,浜本康夫
放射線性腸炎・GVHD 加藤真吾,田川 慧,山下高久
全身性疾患に伴う腸炎①―膠原病,PSCなど― 梅野淳嗣,鳥巣剛弘
全身性疾患に伴う腸炎②―好酸球性胃腸炎,IgA血管炎― 石原俊治,高橋佑典,川島耕作
器質的異常に伴う大腸炎―憩室炎,虚血性腸炎ほか― 長堀正和
炎症性腸疾患治療の最新情報
大腸オルガノイド移植療法の実際 清水寛路,水谷知裕,岡本隆一
腸内細菌移植療法の実際 小田倉里奈,石川 大,永原章仁
連載
視診で見抜く! 皮膚疾患の診かた
梅毒はどれか? 原田和俊
注目の新薬
オンボー®(ミリキズマブ) 渋井俊祐,小林 拓
弁護士が答えます! 法律相談クリニック
がん患者の家族から本人に告知をしないように頼まれたら? 清水 徹
下痢や腹痛など腸管が原因となる疾患が多岐にわたることは,日常診療されている先生が実感されていることと思う.腸管の疾患としては,主に感染性,非感染性,腫瘍性に分類される.診断のステップとしてはまず感染症を鑑別することから始め,腫瘍についても確認していくが,感染でもなく腫瘍でもない場合その次の対処に苦慮することが多い.そのほとんどが機能性胃腸症や過敏性腸症候群などの非器質的疾患ではあるが,腸炎などの器質的疾患の場合がありその見極めが必要となる.特に,実地医家等での日常診療において検査が限られるなか,経過観察するか専門病院に紹介するかなどの判断が難しい.そこで本特集では感染症,腫瘍以外の腸炎に焦点を当て,いかに器質的疾患である腸炎の鑑別・診断を効率よく行うかということを念頭に企画した.
一言で腸炎といってもその由来が多様であるが,冒頭の項では医原性,全身性などの腸炎の由来を大別して解説していただいた.次項では器質的腸炎を見極めるための問診,身体所見,検査所見から,診断プロセスまで解説していただき,実際の診療現場で使える内容としている.各論では,診療現場で経験する可能性の高い疾患についてその詳細を解説していただいている.なかでも炎症性腸疾患については近年著しく患者数が増加していることからも是非知識を深めていただきたい.一方で,炎症性腸疾患と類似する症状の疾患については炎症性腸疾患と誤診するケースも増えていることから,把握しておくべき疾患として各項目で解説いただいている.さらに難治性腸炎に対する最新の治療法も紹介させていただいた.いまだ臨床試験段階で開発中ではあるが,将来の実用化・汎用化に期待したい.
以上より,わが国を代表する消化管専門家の先生方による,分類・検査・疾患群と非感染性腸炎について網羅した1冊となっており,非感染性腸炎の理解を深める機会となれば幸いである.最後に,ご多忙のなかご執筆いただいた筆者の方々に厚く御礼申し上げます.
筑波大学医学医療系消化器内科
土屋輝一郎